中国のeコマース大手Alibabaは、米国のシリコンバレーに新たにデータセンターを開設し、米国のクラウドコンピューティング市場に参入することを明らかにした。
Alibabaは米国時間3月4日、ブログ記事の中で、クラウドコンピューティングサービスを提供する子会社のAliyunが、米国市場に参入するためにデータセンターを開設する予定であることを明らかにした。Alibabaによる中国国外への初進出となる。
Aliyunは2009年に商用クラウドサービスを開始し、現在は北京、杭州、青島、香港、深センにデータセンターを構えている。Alibabaによると、Aliyunは中国国内に140万の顧客を抱えているが、この事業を担当するAliyunのバイスプレジデントSicheng Yu氏によれば、中国はクラウド市場全体の予算の5%を占めているに過ぎず、中国国外には成長の余地があるという。しかし、同社は米国でAmazon、Rackspace、IBM、SAP、Googleなどを含む、強力なライバルと戦うことになる。
それでも、同社はとどまるつもりはないようだ。Aliyunはすでに中国でAmazon Web Servicesとの競争を経験しており、データセンターをスタートさせた後、すぐに米国内のライバルと正面からぶつかる計画でもない。Yu氏によれば、まずは「様子を見る」ことになるという。
「われわれは中国の顧客のニーズをよく知っている。次は米国の顧客のニーズを学ぶべきだ」と同氏は言う。
オープン時には、仮想サーバ、負荷分散サービス、クラウドでのデータ処理とストレージのサービスが提供される予定だ。
Alibabaによれば、同社は米国の顧客に「独自の価値」を提供することから、「当社が受け入れられる余地はある」という。Aliyunのデータ管理プラットフォームは世界最大クラスであり、米国の顧客へのセールスポイントになる可能性がある。さらに、Aliyunは米国と中国の両方でサービスを提供するため、この両国で事業を展開している企業は魅力を感じるかもしれないと述べている。
Yu氏によれば、米国への進出は同社の国際戦略の第一歩に過ぎない。同社は2015年末までに、東南アジアと欧州にも進出する予定だという。
「当社はこれを一歩ずつ、段階的に進めていく。最初は米国だ」(Yu氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。