米ZDNet編集長Larryの独り言

Facebook、ビジネス向け「Messenger」でグーグルに対抗

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2015-03-26 11:45

 Facebookは米国時間3月25日に開幕した開発者向けカンファレンス「F8 Facebook Developer Conference」で、6億5000万人のユーザーを擁する「Facebook Messenger」をビジネス向けのコミュニケーションプラットフォームとして展開する構想を発表した。ビジネス向けの「Businesses on Messenger」でEコマース市場における戦略を強化し、この市場を独占しているGoogleに挑む。

 最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は、Facebook Messengerをビジネス向けのコミュニケーションプラットフォームとして展開することで、企業のクリエイティブなコミュニケーション環境の構築を支援するとしたうえで、企業はBusinesses on Messengerを活用すれば、顧客との対話を適切なタイミングで開始し、対話をより自然な形で進められるようになると述べた。


Messengerのアプローチ

 Facebookはビジネス向けMessengerのライブチャット機能を提供するためにZendeskと提携するほか、小売業のEverlaneおよびZulilyとも提携する。最終的な目的は、Businesses on MessengerでGoogleのビジネス向け「ハングアウト」や「Click-to-Call」のようなサービスを提供することにあると思われる。また、Amazonの「Mayday」ボタンやSalesforce.comの「SOS」ボタンのような顧客サポート機能の提供を目指している可能性もある。

 Eコマースを支援するコミュニケーションプラットフォームとしてMessengerを適切に展開できれば、Facebookは地域に密着した店舗や中小企業の市場にも食い込むことができるだろう。たとえば、顧客が店舗に商品やサービスを注文すると、Messengerで回答が届くという形である。

 Businesses on MessengerによるFacebookの収益モデルは現時点では明らかになっていないが、Googleの独占状態だった市場にFacebookという新たな選択肢が加わるのは、サービスを利用する側にとって歓迎すべき変化だ。しかし、この種のビジネス向けコミュニケーションプラットフォームの構想が常に成功するとは限らない。その好例はeBayによるSkype買収だ。eBayは出品者と入札者のコミュニケーションプラットフォームを構築する目的でSkypeを買収したが、最終的にはSkypeを放出した経緯がある。Skypeはその後、Microsoftに買収された。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  2. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  3. 運用管理

    IT管理者ほど見落としがちな「Chrome」設定--ニーズに沿った更新制御も可能に

  4. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  5. セキュリティ

    シャドーITも見逃さない!複雑化する企業資産をさまざまな脅威から守る新たなアプローチ「EASM」とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]