信販大手のジャックスは、統合マーケティングプラットフォームを導入し、導入済みの分析基盤と連携させ、マーケティングオートメーションの仕組みを構築した。SAS Institute Japanが4月7日に発表した。
ジャックスのカード会員は640万人以上。カード事業、クレジット事業、ファイナンス事業、ペイメント事業を中核にプリペイドカードなど新規事業にも積極的に進出、ベトナムやインドネシアなど海外への展開も推進している。「日本を代表する先進的なコンシューマーファイナンスカンパニー」を目指して2015年度スタートの新中期経営計画を掲げ、その中核的な施策として、マーケティング強化の取り組みに注力しているという。
今回のマーケティングオートメーションの仕組みは、中期経営計画の一環として、提携カードやカードローンの新規入会者ごとの初回利用促進のオファーなど、さまざまなプロモーションを自動化することを念頭に構築された。マーケティングプロモーションへの対応能力強化と品質の高度化で収益拡大と顧客ロイヤルティの向上を目指す。
新たに導入されたのは、SASの統合マーケティングプラットフォーム「SAS Marketing Automation」。顧客分析に基づいた顧客理解の促進と最適なターゲット選定、マルチチャネルや多段階など複雑で多種多様なキャンペーンの設計から実行、管理を担ってタイムリーな効果検証を強力に支援するとしている。顧客一人ひとりのニーズや嗜好にあったキャンペーンを日々数百という規模で実施でき、継続的なPDCAサイクルを回していくことでマーケティングの投資対効果(ROI)の飛躍的な向上が期待できるとしている。
ジャックスでは、データ分析基盤として「SAS Enterprise Guide」「SAS Enterprise Miner」を2013年3月に導入、すでに活用している。データウェアハウスの作業時間の短縮やプロモーション品質の向上を目的に導入された。それまで丸1日間を要していた作業が1時間で終了するなどデータ抽出の高速化を実現し、また迅速な結果検証が可能となるなどの成果が上げているという。今回導入されたMarketing Automationは、これらと連携してマーケティングオートメーションを図る。