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地味で地道なUI/UX論

地味で地道なUI/UX論 - (page 4)

綾塚祐二

2015-04-10 07:00

どうやってUI/UXをデザインするのか

 さて、エンターテインメントやホビーの場合などを除けば、通常はUX自体がシステムやサービスの目的ではない。多くの場合、何か(時として嫌々ながらでも)遂行されるべき作業などがあり、それをつつがなく行えるようにするのが目的である。まずは目的と、それが達成されるために必要な条件や要素(どういうデータをユーザーから得ねばならないかなど)をはっきりさせる、というのが、UIデザインの第一歩である。

 元々何かアプリケーションがあって「これのUI何とかしといて!」と無茶振りされた場合も、なるべくこの段階に立ち戻ったほうがよい。

 次に、必要な要素間の関連性や因果関係を整理する。関連性のある要素は互いに近い場所に提示したほうがよいし、ある要素への入力があれば他の要素が必然的に決まり、どちらかの要素のみの入力を促せばよい場合もある(もちろん、チェックのために双方入力させたりすることも考えられる)。

 そして、整理された内容を元に、画面の切り分けや、提示、入力を促す順番、レイアウトなどを決めていく。この最後の部分だけが「UIデザイン」だと考えている人もいるかもしれないが、第一歩目から考えないと、ちゃんとした設計はなかなかできない。

 粒度の大きな部分のUXデザインは、上述の「目的」を深く考察し適切に設定するところから始まる。粒度の小さな部分のUXデザインは、目的や各要素の性質などを考慮しつつ、全体の流れから個々の入力や提示部分までのUIデザインに付随して行われる。

 UIにせよUXにせよデザインするにあたって重要なのは、試作段階で実際に想定ユーザーに近い人たちに使ってみてもらい、観察することである。開発しなければならないものと同じようなシステムや作業が元々存在する場合などは、事前にそれらを使う様子も観察すべきである。そうして、ユーザーが何に戸惑うか、何に気づきやすく何に気づき辛いかなどを見出していく。

 UI/UX設計の経験を積めばある程度は「想像」することも可能であるが、その勘を身につけるためにはこれらの観察が重要である。

今後の流れ

 初回ということで序論的な内容を論じてきた。次回以降は実際にデザインするあたって考え、注意すべきポイントを、多くの例を交えつつ論じて行きたい。まずはレイアウトに関する基本的な知識の話をする予定である。UI/UXデザインの道は地味で地道なのである。

綾塚 祐二
東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻修了。ソニーコンピューサイエンス研究所、トヨタIT開発センターなどを経て、現在株式会社電通国際情報サービス オープンイノベーションラボ所属。

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