編集部からのお知らせ
ZDNet Japanが新しくなりました!
New! 懸念高まる産業機器のセキュリティ

オラクルがLinuxやDocker、OpenStackに取り組む理由 - (page 3)

谷川耕一

2015-04-17 07:30

 Kspliceは、カーネルのパッチをOSの再起動なしで当てられるようにします。ミッションクリティカル領域ではこのメリットはかなり大きいのです。今後はこのゼロダウンタイム機能をOSの上で動くアプリケーション(ユーザースペースアプリケーション)にも拡張します。すでにこの機能は完成しており、今はサービスとして提供できるよう最終確認をしています。オンラインパッチングはクリティカルな場面で利用するので、ありとあらゆるケースをつぶしているところです。

 さらに次のステップとして、Kspliceを使ってハイパーバイザにもオンラインでパッチを当てられるようにする予定です。どうすれば実現できるかは分かっているので、あとはどういう方法でやるかだけです。急いで着手しないのは、ハイパーバイザではVMwareのvMotionのようなものでもパッチを当てられるからです。

 とはいえ、大規模なクラウド環境下でライブマイグレーションを行う場合には、この方法でうまくいかないこともあります。昨年もAmazon Web Serviceでハイパーバイザを再起動して大きな影響が出ました。Kspliceでこの機能が実現すれば、Oracle Linuxを利用しているOracle Cloudではそのようなトラブルは発生しないことになります。

シングルアプリケーションならDocker

--Oracleではアプリケーションを動かす環境として物理サーバ、Oracle VM、Docker、Linuxコンテナの4つを提供しています。この中にはコンテナ技術を利用するDockerとLinuxコンテナがありますが、これらを使い分ける明確なポイントは。

Coekaerts 簡単に言えば、シングルアプリケーションを動かすのがDockerです。データベースを利用する際には、データベース本体のインスタンス以外にもさまざまなアプリケーションが動いていることが前提となります。たとえば、メールでアラートを送りたければ、Sendmailが動いていなければなりません。一部のアプリケーションは、他のアプリケーションが動いていることが当たり前なのです。そういう場合はDockerではなくLinuxコンテナを使うことになります。アプリケーションが1つだけならDockerを使えばいいでしょう。

--そうすると、Oracle DatabaseのようなものをDockerで動かすシーンはあまり多くないと。


Wim Coekaerts氏

Coekaerts そうですね。ただし、開発者がちょっとOracle Databaseだけを動かしてテストしたいといった使い方はあると思います。JavaだけWebLogicだけというのも同様です。本番環境となればLinuxコンテナというように、使い分けることになるでしょう。

OpenStackをやらなければLinuxのビジネスを狭める

--OpenStackの対応も教えて下さい。OracleのようにフルスタックでOSからデータベース、ミドルウェアからアプリケーションまであれば、あえてOpenStackを謳わなくてもいいのではないでしょうか。

Coekaerts Oracleはデータベースベンダーですが、Linuxのベンダーでもあります。LinuxベンダーだからOpenStackをやり、全てのアプリケーションを対象にサポートします。たしかにOracle on OracleだけならOracleだけでサポートできます。しかし、他のアプリケーションも入ってくるのでそのときにはOpenStackでサポートします。

 OpenStackは今かなり普及しています。やらなければOracleとしてはLinuxビジネスの幅を狭めることになるでしょう。それではLinuxのナンバーワンベンダーになれません。もう1つ、顧客からのフィードバックを判断するのもわれわれの仕事です。その観点からもOpenStackには積極的に取り組みます。

--現状ではOpenStackもまだOracleの求めるエンタープライズレベルには至っていませんか。

Coekaerts テストや開発であれば、すでにエンタープライズレベルで十分に使えます。とはいえ、本番運用を考えるとまだその域にはない。今のOpenStackは、Linuxの2000年頃の状況と似ています。当時はLinuxのディストリビューションが20くらいはありました。それが数年かけ淘汰され、エンタープライズレベルのものだけが残ったのです。

 まさに今日のOpenStackも同じ状況で、今は30社くらいがOpenStackを提供しています。中にはそれほどしっかりしたテクノロジを持っていないところもあります。これから数年かけ、数社が生き残ることになるでしょう。すでにいくつかのOpenStackディストリビューションの淘汰が始まっています。

 大規模な企業は、スタートアップが提供するインフラには自社システムは載せません。そういう意味では、OracleのOpenStackは安心して選んでもらえると思います。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

Special PR

特集

CIO

セキュリティ

スペシャル

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]