--では、RDBMS市場はOracleのようないくつかのベンダーが支配するのではなく、多くの異なる、特化した実装が主流になるということでしょうか。
基本的にはそうなのですが、実際にいくつくらいのベンダーが生き残るかについてははっきりしません。たとえば、Hadoop市場を見てみましょう。
今Hadoop市場では「Spark」(Apacheベースの高速クラスタコンピューティングに特化したエンジン)が人気を集めていますが、Matei Zaharia氏(SparkのCTO兼Databricksの共同創業者)によれば、なんとSparkへのアクセスの79%はSQLからだそうです。
つまり、SparkはSQL市場なわけです。Clauderaを見てみると、彼らはmPowerを前面に押し出していますし、「Impala」はSQLの実装の1つです。こう考えると、HadoopスタックのMapReduce(大規模データセットを生成するモデル)の部分はうまくいかないと思います。
基本的に、本当に重要なHadoop市場はSQL市場になるでしょう。そこでmPowerを見てみると、Impalaはアーキテクチャ的にクラウドストアであり、「HP Vertica」や「Amazon Redshift」、またはその他のリレーショナルデータベースのカラムストア実装に似ています。このため、わたしはHadoop市場のほとんどはデータウェアハウス市場と融合すると考えています。
また、NoSQL市場は2つに分かれます。数年前にOracleに買収された「Sleepycat」(カリフォルニア大学バークレー校のデータベース)と呼ばれるシステムがありましたが、もし十分に使用に耐えるローエンドシステムで、Sleepycatのようなシステムのために余地が十分にあるものを求めているのであれば、それはNoSQL市場と大部分重なっているでしょう。
この市場にはなんらかの標準がなければ生き残れない100前後のベンダーがある上に、結局SQLが標準になる可能性が一番高い状況です。
例えば「Apache Cassandra」やMongoなどは、どちらも非常にSQLに似た高レベル言語を使用しています。
最終的には4つか5つになるでしょうし、垂直市場向けの実装があるでしょうから、その4倍から7倍になるでしょうか。そんな数になるはずです。
従来のロウストアのリレーショナルデータベースを扱っているベンダーが、この状況と、4つか5つの異なるシステムを持たなくてはならない可能性を見ているとすれば、彼らがこの未来に向けてどのような計画を立てるかは興味深い話です。
Clayton Christensen氏が書いた「イノベーションのジレンマ」という素晴らしい本がありますが、わたしは従来のデータベースベンダーはそのイノベーションのジレンマに間違いなくぶつかることになると思います。
データベースのプロフェッショナルとして、市場が移り変わる時期である今に立ち会えるのは刺激的です。
--では、HPやIBMなどの大手ベンダーはどうなるのでしょうか?彼らはどうすればうまくいくのでしょう。
HPはうまくやっています。HPは「Vertica」を買収しましたが、これは非常に非常によいデータウェアハウス製品です。わたしには彼らとの関係はありませんが、彼らは非常にうまくやっていると聞いています。