逆転を狙うインテルのモバイル戦略 - (page 3)

Leon Spencer (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2015-05-20 06:15

ワイヤレス市場での取り組み

 モバイル市場で複数のワイヤレス接続の機能を持つチップが主流になっている中、Intelはワイヤレス技術の研究開発に全力で邁進している。

 同社はマイクロプロセッサにより多くの無線通信技術を詰め込んでいるだけでなく、ワイヤレス充電技術でも大きな飛躍を遂げている。

 同社は2014年に、ボウル型のワイヤレス充電技術を披露した。同社によれば、他のワイヤレス充電システムとは違って、この技術では充電するモバイルデバイスを正確な位置に置く必要がないのが特徴だ。

 またIntelは、2014年6月に開催されたComputexで、WiGigを使用した無線ドッキングステーションと、机の天板の下に置かれたパッドを使用して、ラップトップ、スマートフォン、ヘッドセット、タブレットを、ワイヤレスで同時に充電するデモを行っている。

 Skaugen氏は、これらの新たな製品はすべて、Intelが追求するすべてのデバイスからケーブルをなくすという大きな目標の一部を構成していると述べているが、これらのテクノロジがモバイルの分野で同社のポジションを改善することは明らかだ。

 「ケーブルに関して言えば、われわれは充電、ディスプレイ、データ転送、ドッキングに関して、ケーブルをすべてなくしたいと思っている」と同氏は述べている。

 新たなCPUアーキテクチャ「Skylark」は、今年サンフランシスコで開催予定のDeveloper Forumで発表される見込みだが、Skylarkで用意されるリファレンス実装では、初めて「これらのことを行う際に、コンピュータをまったくケーブルに接続する必要がなくなる」という。

 同氏は話の中で、今のIntelは「コンピューティングと通信」の会社に変わったと繰り返し主張した。グローバル市場におけるポジションを変更するこの取り組みには、多くの資源が投入されている。

 「当社は今やコンピューティングと通信の会社であり、当社のリソースはすでにこれに適応している。何千人もの人間が、通信と接続性の問題に専念している」と同氏は話す。

 またIntelは、最近では「RealSense 3D」カメラテクノロジを前面に押し出しており、2014年の後半にこのカメラを採用するラップトップを増やす取り組みを進め、2015年はタブレットも計画に含まれている。

 さらに、4月に深センで開催されたIntelのDeveloper Forumで、Krzanich氏はRealSenseカメラを組み込んだ6インチのプロトタイプスマートフォンを披露した。

 つまり現在のIntelでは、スマートフォン用に設計されたバージョンのRealSense 3Dカメラがまもなく商品化される可能性が高く、無線テクノロジは製品ラインアップの中心的な柱となりつつあり、マイクロプロセッサのエコシステムが急成長する準備が整っていることになる。Intelのモバイル市場を制覇する戦いも大詰めを迎えてつつあると考えてよいだろう。


RealSenseのデモを披露するIntelのCEO、Brian Krzanich氏。米ネバダ州ラスベガスで開催された2015 International CESの基調講演にて。
提供:Intel

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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