インテルは2月24日、同社IT部門の2014年の取り組みを公表。同社情報システム部Japan and APAC Region地域部長の邱天意氏は「2014年の売上高に対するIT投資額は2.3%。2.6%以下という目標を達成している。1人あたりの投資額は1万2700ドルと、昨年の1万2900ドルから減少している。新たなことに取り組みながらコスト削減を実現した」と語った。
同社は毎年、IT部門のパフォーマンスレポートを発行しており、それらの取り組みを「IT@Intel」と呼んでいる。全世界10万人が働く同社でモビリティやクラウドコンピューティングの活用のほか、業務改革に向けたデータセンター戦略、社内ユーザー向けの端末ライフサイクル管理、企業内のデータを分析するビジネスインテリジェンス(BI)への取り組みなど、先進的なIT活用の事例が業界内外から注目を集めている。
インテル 情報システム部 Japan and APAC Region地域部長 邱天意氏
邱氏はパフォーマンスレポートからトピックスとしてソーシャルに触れた。ソーシャルでは、参加している従業員の比率は76%と4分の3に到達し、前年の約3分の2から増加していることを示した。
「タイムゾーンが異なる従業員同士が連携するプラットフォームとして、ソーシャルを活用する例が増加しており、営業部門では文書の編集などにソーシャルを活用し、月19時間を削減するといった例が出ている。ソーシャルを活用することでCEO(最高経営責任者)に1万4000人の従業員が質問し、それに回答するといった活用も行われた」
モバイルでは、私物端末の業務利用(BYOD)を含めて10万5992台のノートPC、4万8700台のスマートフォン、5000台のタブレットを導入。ノートPCの約半分がタッチ対応になっているという。モバイルアプリの数は前年の57から164へと大幅に増加している。
「タブレットは主に製造現場でのチェックで利用されている。マニュアルを300ページを削減するとともに、30%の作業を効率化できた。インテルは、新たな人材を獲得するためにも、最新の環境を用意する必要がある。デバイスの選択の自由を与え、モバイルの導入を促進している」
邱氏はまた「PCの場合はほとんどが会社支給のものを利用しているが、スマートフォンは半分がBYOD。PCは3年ごとに新しいマシンを選択できる」と説明。「モバイルアプリは今年300以上になるだろう。これによりモバイルの利用環境を促進している」とアピールした。
90日のインフラ構築が14日に
データセンターは前年の64から61へと削減。オンプレミス環境では、90日かかっていたインフラ構築が仮想化で14日間に、自動化で45分間でIaaS環境を構築できるとしている。
クラウドでビジネスの速度を加速させられるという(インテル提供)
「新たに設置したデータセンターでは、約3万5000台のXeon搭載サーバを導入。業界平均の10倍となる空調と高密度を実現したハイパフォーマンスコンピューティングを実現するデータセンターになっている。ビジネスのスピードをサポートするにはクラウドが最適であり、社内ではプライベートクラウドの活用を最適なものとして推奨している。クラウド環境はパブリックラウドが15%、プライベートクラウドが85%を占めている。OpenStackのハイブリッドクラウドも利用が増加している」
インテルのデータセンターでは4年ごとに新たなサーバにリプレースしており、毎年10%のユニットコストダウンを目指しているという。
BIでは「価格設定や在庫管理などで2億6400万ドルの削減効果、テスト時間削減で1300万ドルを削減するなどBIとアナリティクスだけで年間で3億5100万ドルのビジネスバリューを出した。今後もこの分野に投資していく」と語った。