ユニーグループで総合金融サービスを提供するUCSは、クレジットカード入会審査システムにビジネスルール管理システム(BRMS)「Progress Corticon」を採用した。BRMSで審査基準を管理することで追加や変更に即時対応、改修コストを削減できるという。アシストが6月16日に発表した。
ユニーは、総合スーパーの「アピタ」「ピアゴ」、コンビニエンスストアの「サークルK」「サンクス」を運営し、総合小売業界で第3位の売上規模。グループのUCSはクレジットカードや電子マネー、保険代理、リースなどの金融サービスを展開しており、発行するクレジットカードの会員数は302万人、2013年11月から開始した電子マネー「uniko(ユニコ)」のカード発行枚数は113万枚という。
同社はこれまでクレジットカード自動審査機能をスクラッチで開発し、基幹システムに組み込む形で運用していた。しかし、貸金業法などの法改正による審査基準の頻繁な変更で基幹システム側の改修に多額のコストと時間がかかることが大きな課題となっていた。
この課題に対し、あえてシステムを改修せずに担当者が手作業で審査対応をフォローしたところ業務量が増大し、自動審査率が大幅に落ち込んでしまったという。法改正で“残高系商品”(キャッシングやショッピングのリボルビング払いなどで未請求残高が存在し得る金融商品)市場が縮小する状況下、審査結果の妥当性を確認することが新たな課題として浮上してきた。
こうした課題に対し、入会審査ワークフローシステムの更改を機に、BRMSをルール管理エンジンとした新たな入会審査ワークフローシステムを構築することとなった。提案したのはプリマジェスト(神奈川県川崎市)。クレジット業界で入会申込書のイメージ化や入会審査ワークフロー、イメージファイリングといった分野で数多くの導入実績を持つという。
Progress Corticonはビジネスルールの変更をコーディングレスでシステムに反映でき、開発や変更に費やされる作業時間を90%も短縮可能としている。
以前は審査基準の変更によるシステム改修に約1カ月の開発期間と数百万円のコストを要していた。Progress Corticonの導入でプログラム変更ではなく、与信担当の責任者がGUI画面の操作でこれらの変更に迅速に対応できるようになり、大幅なコスト削減につながったとしている。
入会申込書の不備や記入漏れ、書類不足といった申込データの事前チェックにもBRMSを活用したことで、審査前の業務が効率化し、審査業務のミスも減少したという。従来は8%ほどだった自動審査率が実質70~80%へと大幅に向上し、人手による審査業務量が約半減になったという。その結果、審査精度の向上とカード発行期間の2日程度の短縮を同時に実現、顧客サービスを向上したと説明している。
UCSは、入会審査システムの構築にあわせてビジネスインテリジェンス(BI)ツール「QlikView」も導入している。審査業務を通じて蓄積したデータをQlikViewで分析、審査精度の向上をはじめ、新規会員の獲得や収益向上を目指す改善活動を進めている。