PureApplicationのパターンは、IBMが提供するミドルウェアパターンのほか、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)が開発したものを含めて、全世界で220を超えるパターンがPureSystems Centre上に登録されている。日本からは19社27ソリューションが公開されているという。
「IBMの主要ソフトウェアについてのパターン化はほとんど完了している。IBMはさまざまな会社を買収し続けているが、これをパターンのなかに取り込んでいく活動も継続的に行っていく」(執行役員 IBMシステムズ・ソフトウェア事業部長の渡辺公成氏)という。
PureApplicationでは、DockerコンテナをPureApplicationパターンの部品として構成、導入、管理する機能を提供。同様にシステム構成管理の自動化フレームワークである「Chef」をサポートし、コミュニティで提供されているChefレシピをPureApplicationのパターンのなかで利用できる。オープンソースを新たにサポートすることでアプリケーションプラットフォームの迅速な構築と、効率的な運用管理を実現するという。
PureApplication Software V2.1の参考価格は、最小単位の1PVUで4万4300円から、560PVU8コアで2480万円となる。
PureApplication Softwareの動作前提は、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)6.6、CPUは8コア以上、メモリは80Gバイト以上などとなっている。サポートする仮想化環境はvCenter Server 5.1 U2のみ。仮想化環境で稼動するOSはRHEL 6.2以上とRHEL 7.0、Windows Server 2008 R2 Enterprise Edition以降などとなっている。現在は、IA版だが、2015年後半にはPower版も投入することになるという。
日本IBM 執行役員 IBMシステムズ・ソフトウェア事業部長 渡辺公成氏
PureApplication Systemを侵食しない
渡辺氏は、「スピードおよびスケーラビリティと、確実性や堅牢性、信頼性、機密性といったユーザーが求める相反する要件を技術、製品、体制で一気通貫で支援できるのがIBM。Systems of EngagementとSystems of Recordの両方に対応した、デジタル革命時代のエンタープライズシステムの実現を支援するのがシステムズ・ソフトウェア事業部の役割になる」と解説した。
続けて渡辺氏は「PureApplicationは、システムズ・ソフトウェアのポートフォリオの中で先進的で、柔軟なアプリ基盤を構築できるものであり、Dockerをはじめとするオープンソース環境までを包含した新たなアプリケーション基盤構築を支援できる」とメリットを強調した。
「SAPやワークスアプリケーションズなどのERP(統合基幹業務システム)パッケージのパターンを用意することで、さまざまなパッケージを迅速に導入できるビジネスモデルを提供している。これによって、PureApplicationを活用してもらえる機会が広がった。PureApplication Systemはグローバルでも2桁成長しており、PureApplication Softwareは、これを侵食するものではない。新たな市場を開拓していくものになる」(渡辺氏)