「Windows 10」のリリースが近づいてきた。Microsoftは米国時間7月29日に、何億人ものPCユーザーに無料でWindows 10へのアップグレードを提供する予定だ。ほとんどのWindows 10ユーザーは、新しいデフォルトウェブブラウザである「Edge」も利用できるようになる。だがこのEdgeは、「Chrome」や「Firefox」、「Opera」よりも優れているのだろうか。あるいは、「Internet Explorer 11」(IE 11)と比べてどうなのだろうか。この記事では、この疑問について調べてみることにした。
Microsoftの新ブラウザEdgeは、本当にWindows 10で最高のブラウザなのだろうか。
Windows 10のリリースが間近に迫っており、そろそろ各ブラウザにどの程度の性能が期待できるかを調べても構わない時期になったと言えるだろう。実際には、Windows 10のリリース後にはこれらブラウザの性能も向上するはずだが、Windows 10のプレビュー版もかなり成熟しており、現状で各ブラウザの性能を評価しても大きな問題はないと考えられる。
EdgeはIEから分岐したものではない。このブラウザは、同じ名前の新しいレンダリングエンジンをベースにしている。一方、PC用のWindows 10に付属するIE 11では、今後も既存のレンダリングエンジン「Trident」(HTML)を使用する。
Microsoftによれば、Edgeのレンダリングエンジンは、各種標準への準拠と相互運用性の両面で従来よりも改善されている。同時にMicrosoftは、一部の古いバージョンのIEに最適化された古いサイトを利用するには、IE 11と従来のTridentエンジンが必要になることを認めている。
Edgeは単なる最適化されたウェブブラウザではない。Edgeには、Microsoftのデジタルアシスタント「Cortana」が組み込まれているという特長がある。Cortanaは、Appleの「Siri」や「Google Now」のライバルにあたる。
それはいいことだ。しかし、Edgeをウェブブラウザとして見た場合、多くのユーザーは、まず日常的に使っているウェブページで問題なく動作するかどうかを知りたいはずだ。ここでは、Windows 10上でのEdgeとほかのブラウザのスピードとスムーズさを調べるため、広く利用されているブラウザベンチマークツールをいくつか使用した。
本記事のテストは、6月に提供された64ビット版Windows 10の最新ビルド(10130)上で実施した。このベンチマークに使用したPCは、Asusの「CM6730」だ。このデスクトップPCは、3.4Ghzの第三世代「Intel Core i7-3770」プロセッサを搭載している。グラフィックカードはNVIDIAの「GeForce GT 620」だ。また、このPCは8GバイトのRAMと1Tバイトのハードディスクを備えている。
このシステムで、Windows 10に付属しているEdgeとIE 11に加え、一般によく使用されているデスクトップ用ウェブブラウザを評価した。評価対象としたのは、Chrome 43、Firefox 38、Opera 30だ。今回の総チェックでは、「Safari」は含めていないことに注意してほしい。これは、Appleは今後Windows用Safariの新しいメジャーバージョンをリリースする予定がないためだ。ただしAppleは、Windows用Safariのセキュリティアップデートについてはサポートを継続する。
以後、各ブラウザのベンチマーク結果を示していく。