顧客行動分析のススメ
では情シスはどの部門と連携するのがよいか。
その前にまず、どういう分析を実施するのがいいかについて触れておきたい。課題をたくさん抱えた部署と連携しても、その課題がデータ分析によって解決できないものであれば、連携の効果は薄い。そもそも取得できないデータが求められているといったケースも目にする。ゆえに、最初は手元にあるデータありき、できる分析ありきで連携を検討した方がいい。
そこでまずお勧めしたいのが、「顧客行動の分析」だ。取り組みやすく、比較的費用対効果がよく、売り上げにつながる価値も出しやすい。
顧客行動、というと少しイメージがしづらいかもしれない。例えば「顧客の購買行動」だとどうだろう。つまりは顧客の商品購買データ、POSデータ、レシートデータ、といったものだ。おそらく多くの企業がデータとして持っているものなのではないだろうか。ゆえに、最もデータ分析が取り組みやすいデータの代表として挙げられる。
顧客行動が分かるということは、顧客を知ることができるということだ。以下の事例を見てみよう。
とあるスーパーの購買ログを見ると、ジャガイモとニンジンと牛肉とカレールーを一緒に買う顧客が、毎日一定数いることが分かった。
この結果から、このスーパーには、カレーの材料を買う顧客が毎日一定数いることが分かった。
顧客を知ることができると、施策もいろいろと考えられる。上記の事例だと、カレーの材料をセット販売する、そのセットにトマトを入れて売り、単価アップを狙うなどだ。
クラスタリングで顧客を知る
「顧客を知る」というのはマーケティングの基本なのだ。それゆえ、顧客を知ることができる「顧客行動の分析」は、マーケティングと非常に相性が良い。データ分析の第一歩として、ログが入手しやすく、マーケティングに生かしやすいこの分析から取り組んでいくのをお勧めしたい。