つまり、アップグレードをするかどうか決めるのは、実際にはリリース後少し時間がたってからになる場合がある。しかし、順番待ちをしなくても済む方法もある。Window 10を購入して、自分でインストールすればいい。こうすれば、自分のWindows 10の順番がいつくるのかという不安は解消されるだろう。
インストールできるという通知を受け取ったら、また次に検討すべきことがいくつかある。
ありきたりなことだが、十分な時間を確保することだ。インストールには1時間かかると考えた方がよい。比較的新しいPCなら20分程度で終わる可能性があるが、古いPCなら1時間でも十分ではないだろう。
また、いつまでも無料でアップグレードできるわけではないということにも気をつけよう。現時点でMicrosoftが約束しているのは、リリース後の最初の1年間はWindows 10を無料でアップグレードできるということだけなので、アップグレードの対象のデバイスを持っていて、有料でアップグレードしたくないならば、かなり先ではあるが、やはり期限はあるということに注意すべきだ。
ほかに検討すべきこととしては、あなたがどのくらい冒険好きかということがある。当然、Windows 10は多くのテストを受けてきたが、いくつかのバグが含まれるであろうことはMicrosoftも認めている。Windows担当グループの責任者であるTerry Myerson氏は「ロールアウトする日ごとに、われわれはあらゆるWindows 10ユーザーに耳を傾け、そこから学び、Windows 10の体験をアップグレードしていく」と述べている。早い段階で飛びつけば、その途中でおかしな不具合を見つけたりするかもしれないが、やや慎重なユーザーが思い切ってインストールする頃には解消されるだろう。
その一方で、Windows 10の新機能のいくつかをすぐに使いたいのであれば(例えば「Cortana」や新しいブラウザの「Edge」など)、早めに移行を決める価値はあるかもしれない。ハードウェアや既存のOSの状況も考慮する必要がある。例えば、筆者の同僚であるDavid Gewirtz記者は、所有しているWindows 7搭載デバイスのいずれについても、Windows 10にアップグレードするつもりはなく、「そのままにしておこうと思っている」と言っている。対照的に、Ed Bott記者は、Windows 8.1搭載デバイスの90%が、ある時点でWindows 10にアップグレードされると予測している。
もちろん、ビジネスユーザーは、これに関して自分ではどうすることもできない。アップグレードの時期を決めるのは、ITマネージャーか最高情報責任者(CIO)である。
ビジネスユーザーの場合、アップデートのタイミングも少し異なる。「Windows 10 Pro」は、「Windows 10 Home」と同じ7月29日にリリースされる。一方、ボリュームライセンスの顧客が「Windows 10 Enterprise」や「Windows 10 Education」をボリュームライセンスサービスセンターからダウンロードできるようになるのは、8月1日になる予定だ。
企業ユーザーが、リリース当日に全社規模ですぐさまアップグレードするなどとは誰も思っていない。大企業の対応は、ホームユーザーに比べるとかなり後れる傾向にある。それは、大企業が通常、アプリケーションの互換性の問題だけでなく、非常に多くのマシンを個別にアップグレードしてチェックするために大変な時間と労力を割かなければならないという、はるかに大きな悩みの種を抱えているからだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。