General Electric(GE)は米国時間8月5日、新しいPaaS製品「Predix Cloud」を発表した。クラウドサービスへの取り組みを強化していくつもりだ。
GEはこの製品について、さまざまな産業のデータおよびアナリティクス専用に設計された、現在のところ市場で唯一の産業用クラウド製品だと強調している。
Predix Cloudは、機械データをリアルタイムで管理、分析、および保存するために構築された。クラウドのテナントが産業のエコシステムに属していることを保証するため、「ゲーテッドコミュニティ」(gated community:「門や塀で囲まれた住宅地」の意)と呼ばれるモデルが採用されている。
脆弱性のリスクを低減するため、アプリは展開前にほかのものとは切り離して精査される。ほかのクラウドベースのアプリやサービスに影響(または損害)が及ぶのを避けるためだ。
GEは、同社が「ソフトウェア定義モルタル」と呼ぶものをクラウドスタックの各層に組み込んでいる。これにより、悪意ある活動の検知と隔離や、データ損失をより明確に把握できるようになるという。
主な顧客ターゲットは国際的な規制の対象になっている産業で、GEは例として航空やヘルスケア、輸送、石油、ガスなどを挙げている。
GEは2年余り前に、Amazon Web Services(AWS)、AccentureそしてEMC傘下のPivotalとの提携によるデータ分析プラットフォーム「Industrial Internet」を発表した。
Industrial Internetは、「クラウドにとらわれない」とされ、スマートマシンやセンサ、アナリティクスを連携させる共通のアーキテクチャを産業分野のオペレーターに提供するものとして設計された。
GEは同じ年に、予測機能を強化してこのプラットフォームを改善し、主に航空、ヘルスケア、鉄道、エネルギー業界向けのアップデートを提供した。
2014年にはGEがAPI Healthcareを買収したことで、Industrial Internetはさらに改善された。API Healthcareは、医療従事者を管理するためのソフトウェアや、病院のより円滑な運営を維持するためのリアルタイム分析ソリューションを開発していた。
GEは、Predix Cloudを一から構築したと説明しているが、Predix Cloudはほかのクラウド基盤ともうまく連携できる。例えば、Predix Cloudは、PivotalのPaaSソフト「Cloud Foundry」を利用し、アプリケーション開発や展開に活用できるようにしている。
Predix Cloudは、オンデマンドで従量制の価格モデルで提供される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。