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「ソーシャルグッド」が米国のトレンドに--企業が無視できなくなってきたこと

末岡洋子

2015-08-14 07:30

 ソーシャルネットワークによりさまざまな情報が瞬時に伝わってしまう時代。これまで以上に企業の透明性や社会貢献や”善い行い(ソーシャルグッド)”が注目されている。

 顧客だけでなく、パートナー、そして社員のリテンション(維持)にも重要となるソーシャルグッドについて、Dellのソーシャルグッド推進者に任命された俳優のAdrian Grenier氏と、Dellのサスティナビリティプログラム担当執行ディレクターのDavid Lear氏が語った。


Grenier氏。最初の”責任感のレッスン”は起業家でシングルマザーだった母親から。「自分の部屋を掃除するように言われた。しなければ汚い中で過ごすことになる」。

 Grenier氏は映画『The Devil Wears Prada(邦題:プラダを着た悪魔)』『Entourage(邦題:アントラージュ★オレたちのハリウッド)』などに出演する傍ら、自らも監督やプロデューサーを務め、プルトップがなく缶切りで開けるビールChurchkey Can Companyを共同創業するというさまざまな顔をもつ人物だ。

 Dellは3月、地元テキサス州オースティンで開催される音楽とマルチメディアイベント「South by Southwest(SXSW)」で、Grenier氏の持続性に関する取り組みなどを評価し、同社初のSocial Good Advocateに任命した。このパネルは、Dellが6月末にドイツ・ベルリンで開催した女性起業家向けイベント「Dell Women's Entrepreneur Network」で行われた。モデレーターは戦略コンサルティングファームであるMcPherson Strategiesの創業者、Susan McPherson氏。

 企業のCSR(社会的責任)への取り組みが注目されている。主要ハイテク企業の中には、ダイバーシティ(多様性)レポートを作成するところが増えており、企業が社会市民としてどのように振舞っているのか、貢献しているのかに消費者も高い関心を示すようになっている。

 この背景について、DellのLear氏は「顧客にとってブランドとは信頼であり、顧客、従業員をどのように扱っているのかの透明性を求めている」と分析する。そして、ソーシャルグッドを推進する役職を設けた背景について、「われわれはどのようにして顧客の期待を満たすか、リーチできるのかを考えている。(Lear氏が明るい)持続性分野はよい入り口になると判断した」と説明した。

 McPherson氏はソーシャルグッドの例として、社員の70%を男性が占めるというIntelが約5年前に開始した女子学生向けの教育プログラムを取り上げた。学生時代からハイテク分野の教育が必要と判断してのもので、「最初は意外に聞こえたが、このプログラムに対する反応はよかった」という。このようなソーシャルグッド活動は、顧客、提携先だけでなく、「従業員、最終的には社会全体にとって良いし、マーケティングにも良い影響が出る」と評した。

 ではDellはどのようなことに取り組んでいるのか。Dellは30年前の創業以来、パーツからPCを組み立てることを事業としてきた。「どうやってアセンブルするか、梱包して運ぶかを常に考えてきた」とLear氏は述べ、新しい梱包方法を中心に取り組みを語った。

 その1つが竹だ。PCのクッション材としておなじみの発砲スチロールに代わって、廃棄物のない再生可能な素材を探したところ、行き当たった。自社が工場を持つ中国で大量に得られるため輸送コストが少なく、地元のサプライヤーを利用できる。さらには、竹の生命力と育成スピードから、枯渇の心配もない。竹を利用したのは、PCメーカーでは同社が初めてという。

 竹に続いて、Dellが少し前に取り扱いを開始したのがキノコだ。大豆皮、綿実粕などの農業廃棄物を型に入れ、キノコ種菌を注入、10日もすると根の成長が完成する。石油など外部のエネルギーに頼ることなく膨らみ、耐性にも優れるという。キノコももちろん、PCメーカーとしては初となる。Lear氏によると、このほか麦わらなども利用しているという。

 興味深いこととして、これらのアイディアの中には起業家の提案を受けて開始したものもあるという。「コラボレーションが鍵を握る」とLear氏はDellの姿勢を説明する。

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