今や数十億ドル規模の市場に成長したパブリッククラウドだが、いまだに開発者の相当数がプライベートクラウドの開発環境を好んでいることが、大規模な調査によって明らかとなった。
この調査は、市場調査企業のVisionMobileによって、1万3000名を超える開発者を対象に実施された。Bill Ray氏、Mark Wilcox氏、Christina Voskoglou氏によって作成された報告書によると、プライベートクラウドでアプリをホストすることが望ましいと回答した開発者は、全体の44%に達したという。現在、パブリッククラウド市場はAmazon Web Services(AWS)が席巻しているかもしれないが、そのAWSですら、プライマリプラットフォームとして実際に採用しているのは回答者のわずか16%にすぎなかった。
報告書によると、将来的にはより多くの開発者がパブリッククラウドを採用するかもしれないが、現時点ではその限りではないという。パブリッククラウド業界はAWSの独壇場であるものの、「クラウド開発という切り口で見れば、最も人気があるのは社内に留めるという選択肢だ」としている。また、パブリッククラウドへの移行をためらう理由として、回答者の多くがセキュリティ上の懸念と言語選択の問題を挙げている。
利便性と柔軟性も、自社ホスト型のクラウドに対する人気の要因かもしれない。報告書はさらに、「クラウド環境の可用性も一因だ。これにより、企業は自社インフラ内でクラウドコンピューティングを運用することのメリットの多くを認識できる。またホストされたソリューションのメリットが決定的となった際に、自社のアプリケーションを確実にクラウドに対応させることができる」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。