IBM、メインフレームで「Ubuntu」をサポートへ

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-08-18 16:01

 IBMとCanonicalは、Linuxディストリビューション「Ubuntu」が近いうちにIBMのメインフレームで動くようになることを、LinuxConカンファレンスで発表した。

 IBMの「System z」担当ゼネラルマネージャーのRoss Mauri氏と、UbuntuおよびCanonicalの創始者であるMark Shuttleworth氏によると、今回の動きは顧客の要望を受けたものだという。10年以上にわたって、IBMのメインフレームでサポートされるLinuxディストリビューションは、「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)「SUSE Linux Enterprise Server」(SLES)だけだった。

 Ubuntuが成熟するにしたがって、エンタープライズLinuxとしてUbuntuを求める企業が増え、IBMの大規模なハードウェアでUbuntuを利用したいと考える企業も増加した。特に銀行はIBMのメインフレームでUbuntuが利用できるようになることを希望していた。金融機関の最高情報責任者(CIO)の願いは近いうちに叶えられるだろう。

 Shuttleworth氏がインタビューで述べたところによると、2016年4月までに、Ubuntuの次の長期サポートバージョン「Ubuntu 16.04」によってUbuntu Linuxがメインフレームで利用可能になる予定だという。CanonicalとIBMは2014年後半、IBMの「POWER」アーキテクチャでUbuntuをサポートし、この動きに向けた第一歩を既に踏み出している。

 Canonicalの最高経営責任者(CEO)であるJane Silber氏は、発表の中で以下のように述べている。

 「LinuxONE」を含む「z System」のサポートとともに、CanonicalはIBMとの提携も拡大し、POWERアーキテクチャと「OpenPOWER」エコシステムに対する当社のサポートを強化していく。「Power Systems」の顧客は現在、Ubuntuのスケールアウト機能や、「POWER8」における「CAPI(Coherent Accelerator Processor Interface)」などの新しい技術の市場初のサポートを実現した当社のアジャイル開発プロセスの恩恵を得ている。それと同じように、z Systemの顧客も同じ速さで技術の進歩が展開されていくことを期待でき、エンドユーザーに向けた新しいサービスの提供を高速化する「Juju」などの当社クラウドツール群の恩恵を得ることができる。さらに、当社とIBMの協業には、Juju Charmによって、IBMの多くのソフトウェアソリューションをスケールアウト展開できるようにすることも含まれる。メインフレーム顧客は、「Charmによって展開される」豊富なIBMソリューション、Juju経由でメインフレームに展開できるほかのソフトウェアプロバイダー製品やオープンソースソリューションを享受できるようになるだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

  2. ビジネスアプリケーション

    Google が推奨する生成 AI のスタートアップガイド、 AI を活用して市場投入への時間を短縮

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  5. クラウドコンピューティング

    生成 AI リスクにも対応、調査から考察する Web ブラウザを主体としたゼロトラストセキュリティ

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]