「うちの情シス(情報システム部門)が面倒くさくて」--。筆者が、何度となく顧客企業のユーザー部門から聞いてきた言葉だ。「情シスがうるさい」「情シスが邪魔をする」といった辛辣な言葉さえ、耳にしたのは一度や二度ではない。なぜ、情シスが面倒くさい、と言われるのだろうか。そして、その面倒くさいと言われる部門は、本当に存在意義があるのだろうか。
「情シスのキャパに対して、モバイル開発は5倍のスピードで突っ走る!」--。 これは、クラウド情報ブログのAgile Catの記事のタイトルだ。情報システム部門のキャパシティ、あるいはパフォーマンス、取り組みといったものよりも、モバイルの進化は速い。一昔前に構築した、クライアントサーバ型システムが現状のユーザーに合わない、という話を聞くことが多いのも、モバイル端末からのアクセスを必要とするユーザーが増えているということでもあるのだ。
このブログ記事の中に、次のような記述がある。
モバイルアプリを自社で開発するかどうかは、要検討事項だ。必要かどうかも分からず、最初からアプリを開発して無駄にしてしまう例は少なくない。著者は、顧客企業に対し、まずは既存のアプリケーションを活用し、業務上の問題点などを洗い出すことを薦めている。このブログ記事の中で著者がもっとも大事だと感じたことが最後の一文だ。
「社内開発のスキルを高めながら、アウトソースも活用する」--。多くの企業では、社内開発だけで進めようとして、今まで使ったことがない言語やツールに苦労し、たいしたものができず、または何もでき上がらずに困っている人たちは少なくない。また、アウトソースも使い方次第だ。丸投げしてしまうと、自社にスキルが貯まらない。自社のメンバーとアウトソースのバランスを上手にとることが必要なのだ。
また、開発以外でも、導入前の整理や、業務プロセスの改変などを、専門コンサルタントにアウトソースすることで、内部リソースの無駄な動きが一気に減ることになる。