Googleは「Google Cloud Storage」のユーザー向けに、郵便を利用して磁気テープやHDDからデータを入力できる新たなサービス「Offline Media Import/Export」の提供を開始した。
磁気テープやHDD、USBドライブなどの物理メディアに大量のデータを保管している企業や、低速または高価なネットワーク接続を利用している顧客にとっては、このサービスは便利なものになるだろう。
このサービスは、Amazonが2009年から提供している似た名称のサービス「Import/Export」に近い。このサービスでもストレージデバイスをAWSに送付するが、こちらはテープは利用できない。AWSはこのデータを「Amazon S3」に入力し、デバイスを返送する。
Googleの新サービスではやや異なるアプローチを取っており、この入力プロセスを処理するためにサードパーティー企業と提携している。北米ではすでに、アーカイブを手がける企業Iron Mountainとの協力でサービスが開始された。
Iron MountainはGoogleが7月にスタートしたストレージサービス「Nearline」のパートナーでもある。Nearlineは、AWSの低価格アーカイブサービス「Glacier」に対抗するもの。
Iron Mountainは当時、Googleと協力して、ディスクやテープからNearlineにデータをアップロードする「オフラインデータ取り込みサービス」の開発を進めていると発言していた。
しかし、今回Googleがスタートしたサービスでは、顧客はNearlineだけでなく、「Standard」や「Durable Reduced Availability」も選択することができる。
顧客には、サービスプロバイダーにデータを送付する前に、データを暗号化することが推奨されている。
暗号化されたデータは高速ネットワーク経由でGoogle Cloud Storageにアップロードされるが、Iron Mountainはコンプライアンス対応が必要な顧客向けに、証拠保管の継続性を保証することもできる。顧客は送付したハードディスクを返送させるか、サービスプロバイダー側で破壊させるかを選択でき、Iron Mountainの場合、同社の倉庫で保管することもできる。
このサービスは、欧州やアジア太平洋地域でも近い将来利用できるようになる予定だ。
Googleは価格についての情報は明らかにしておらず、価格は取り扱いパートナーによって設定される可能性が高い。Offline Media Import/Exportの製品ページには、Googleはサービスプロバイダーについては直接関与しない立場をとり、その活動には責任を負わないと記述されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。