海外コメンタリー

「Windows 10」リリースから1カ月--良かった点、悪かった点 - (page 2)

Ed Bott (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2015-09-07 06:15

回線容量の懸念

 9カ月間のプレビュープログラム期間を通して、Windowsの新ビルドがリリースされるたびに巨大なインストーラパッケージ(通常、2.5~3.5Gバイト)が提供された。最初にアップグレードするユーザーたちも巨大なインストーラパッケージを入手することになる。一部のWindowsユーザーにとって、それはあまり大きな負担ではない。しかし、無視できない数のWindowsユーザーにとっては、低速なインターネット回線とデータ使用上限は今も現実である。Microsoftは今後数年、より少ない容量でアップグレードを提供する方法を見つけることを優先事項にすべきだ。

「Microsoft Edge」

 この新ブラウザの第一印象は極めて良好だ。動作は高速で、見た目はすっきりしており、「Internet Explorer」では正しく表示されなかった最新のウェブページも処理できる。「Google Chrome」で正常に機能するページなら、おそらくEdgeでも正常に機能するだろう。Appleが米国時間9月9日に開催する製品発表イベントのライブストリームも、Chromeでは視聴できないがEdgeなら可能だ。

 Edgeのユニークな機能の中には、小細工のように思えるものもある。「Reading View」は便利だが、決して斬新ではない。Edgeのすべてのデモで、人々がウェブページに注釈を付けて共有するようになることがほのめかされているが、本当にそうなるだろうか。筆者は懐疑的だ。

 Edgeの真の課題は、ウェブと同じ速度で進化し続けることである。2015年中に搭載すべき中核的機能もたくさんある。そのリストの一番上に来るのは、「Favorites(お気に入り)」同期機能と拡張のサポートだ。6カ月後にMicrosoft Edgeの機能が今よりも大幅に増えていなければ、何かが上手くいっていないということだろう。

「OneDrive」の作り直し

 クラウドファースト、モバイルファーストの世界で、MicrosoftがWindows 10のOneDriveで大きくつまずいたことは、控え目に言っても、恥ずかしいことである。Microsoftは、「Windows 8.1」で盛大に提供開始した「プレースホルダ」機能を廃止したとき、1年分、もしかすると2年分の開発作業を投げ捨てた、とだけ言っておこう。新しいOneDrive同期クライアントは2015年秋まで登場しない予定だ(ただし、近いうちにWindows Insider Program登録ユーザー向けにプレビュー版が公開されるはずだ)。プレースホルダ機能を、ストレージ容量が極めて少ないデバイスで動作する機能で置き換えるという約束を守るために、同社が同期エンジンを具体的にどのように作り直すつもりなのかは不明である。

「Windows 10 Mobile」をめぐる不確実性

 Microsoftの携帯電話部門はいったい何回再起動するチャンスを与えられるのだろうか。「Windows Phone」は後1回アップグレードすれば偉大な製品になるという状態にずっと留まっているが、「iPhone」と「Android」による複占状態に風穴を開けるには至っていない。Windows 10 Mobileは具体化し始めており、最近のビルドは期待を抱かせる仕上がりだ。しかし、われわれは今も新しい主力ハードウェア(近日登場予定)と、秋の安定版リリースを待たされている状態だ。このプラットフォームは、Windows Phone OSのファンといくつかの地域市場のエネルギーによって、おそらく数年間はニッチ製品として生き延びることができる。しかし、ユニバーサルアプリを構築するには開発者のエネルギーが必要であり、現在のところ、そのエネルギーはひどく不足しているように思われる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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