人々は以前のようにPCを購入しなくなっており、販売台数は何年にもわたって低迷している。
しかし、IntelとMicrosoftは現在、Intelの「Skylake」アーキテクチャをベースとする新プロセッサの性能と、先頃リリースされた「Windows 10」OSがけん引役となって、PCが復活するとの見通しを熱心に語っている。
Intelによると、SkylakeプロセッサをベースとするPCは、5年前のシステムの2倍以上のパフォーマンスと3倍以上のバッテリ持続時間を提供するという。速度と効率性が増したこれらのプロセッサは、PCとしてもタブレットとしても機能する薄型のハイブリッドデバイス(例えば、着脱可能または折りたたみ式のキーボードを備える2-in-1ノートPC)という新たな波を後押しするだろう。
Skylakeプロセッサシリーズは処理性能が増しただけでなく、Intelの「RealSense」3Dカメラを使った顔認識を最適化するように設計されてもいる。RealSense 3Dカメラは最新のタブレットやノートPCに搭載されることが増えており、ユーザーの顔をスキャンしてノートPCのロックを解除できるという「Windows 10」の機能を補完している。さらに、Skylakeがワイヤレスの充電およびディスプレイのサポートを内蔵していることは、ケーブル不要でコンピュータを使用できる時代の到来を予感させるものだ。
だが、コンピュータを見つめてログインできるようになることや、ケーブルが不要になることの可能性は、実際のところ、新しいPCをどれだけ変えることができるのだろうか。
複雑すぎるPC
OvumのアナリストであるRichard Edwards氏によると、PCメーカーは大きな問題に直面しており、新しいプロセッサ機能や「Windows」のリリースではその問題は解決できないという。その問題とは、Windows PCが現代の消費者にとっては少々面倒なものであるということだ。
「Windows 10は賞賛されてはいるものの、なおワークステーションクラスのOSで、ほとんどの一般ユーザーが必要としないものまでも提供している、と消費者市場で認識されている」(Edwards氏)
Edwards氏によると、ほとんどの消費者は「高度なデスクトップOSの管理と保守」に頭を悩ませたくないと考えているという。彼らは、ネットサーフィンやコンピュータゲームのプレイ、ソーシャルネットワークへの投稿ができるコンピュータを求めているのだ。
そうしたユーザーにとっては、「真新しいPCよりもタブレットの方がまだはるかに魅力的」なのである。
これらのユーザーは2-in-1デバイスが提供する追加機能をほとんど必要としておらず、実際にキーボードが必要になった場合でも、「iPad」や「Android」タブレット向けのBluetooth周辺機器を簡単に購入することができる、と同氏は述べている。
PCに対する関心が薄れているもう1つの理由は、われわれが十分な性能のコンピューティングの時代に生きていることだ。つまり、ほとんどの世帯は既にコンピュータを所有しており、自分たちのニーズを満たすことができている。市場が飽和するにつれて売り上げ減少の兆候が現れているタブレットも、同じような状況になりつつあるのかもしれない。
提供:Intel