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松岡功の一言もの申す

クラウドサービスの本質はサブスクリプションモデルにあり

松岡功

2015-09-24 11:00

 国内クラウド市場において、サブスクリプションモデルのクラウドサービスが今後、広く普及していきそうだ。パブリックかプライベートかという論議より、その動きに注目したい。

注目される「ホスティング型プライベートクラウド」

 IDC Japanが先頃発表した国内クラウド市場規模の推移によると、プライベートクラウド市場は2019年に2014年比3.0倍の1兆8601億円に、パブリッククラウドサービス市場は同じく2019年に2014年比2.8倍の5404億円になると予測している。

 この予測からすると、2019年のクラウド市場全体に占めるプライベートクラウドの割合は77%。2014年からの伸び率はプライベートおよびパブリックともそう変わらないことから、比率も変わらずに推移するというのがIDCの見立てだ。

 ただ、プライベートクラウド市場予測の中身を見ると、企業のITシステムが「クラウドサービス」へ着実に移行していく姿が浮かび上がる。どういうことか。

 IDCでは、プライベートクラウド市場を「オンプレミスプライベートクラウド」、ホスティング型プライベートクラウドである「デディケイテッドプライベートクラウドサービス(DPC)」および「コミュニティクラウドサービス」と分類している。

 ちなみに、2014年の国内プライベートクラウド市場における上記の分類モデルの支出額割合では、オンプレミスプライベートクラウドが6割近くを占めた。それが2019年には5割を下回ると、IDCでは予測している。とはいえ、オンプレミスプライベートクラウドがマイナス成長になるのではない。上記の分類モデルの3つとも成長を続ける中で、相対的に比率が下がることになる形だ(図参照)。

図:国内プライベートクラウド市場規模の予測(2014年~2019年)
図:国内プライベートクラウド市場規模の予測(2014年~2019年)

パブリックとプライベートの“いいとこ取り”

 今後のプライベートクラウド市場において、相対的にオンプレミスより比率が上がってくるのは、DPCおよびコミュニティクラウドサービス、つまりはホスティング型プライベートクラウドサービスである。実は、このサービスこそが、企業のITシステムがクラウドサービスへ着実に移行していく動きを物語っている。

 ホスティング型プライベートクラウドサービスは、通常だとユーザーがIT資産を所有するプライベートクラウドとは違い、ベンダーがIT資産を所有することから、ユーザーにとっては「持たないプライベートクラウド」とも言われる。すなわち、パブリッククラウドとプライベートクラウドの“いいとこ取り”をしたサブスクリプションモデルのクラウドサービスである。

 IDCによると、ユーザーの期待として、プライベートクラウドに対しては「ITあるいは業務の効率化」、パブリッククラウドに対しては「効率化だけでなく事業拡大」が大きく、信頼や安定性が重要な業務(IT)はプライベートクラウド、ビジネスイノベーションはパブリッククラウドといった風潮が見られるという。

 ホスティング型プライベートクラウドサービスは、その両方のユーザーニーズに対応し、さらなるビジネスイノベーションに向けては、必要なパブリッククラウドサービスと連携したハイブリッド利用を図ればいいという考え方だ。

 重要なのは、このサービスがパブリックと同様、クラウドサービスの本質を示すサブスクリプションモデルであるということだ。おそらく、日本ではこのクラウド利用形態が当面の間、主流になっていくのではないだろうか。

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