Workdayは米国時間9月28日~10月1日、ユーザーカンファレンス「Workday Rising 2015」をラスベガスで開催。イベント初日の基調講演には、共同創設者兼チェアマンのDave Duffield氏、共同創設者兼最高経営責任者(CEO)のAneel Bhusri氏が登壇。Workdayの実績と新機能を紹介した。
Workdayは、財務管理(Financial)と人材管理(Human Capital Management:HCM)のシステムをSaaSで提供する企業。北米、欧州のグローバル企業を中心に1200社以上のユーザー企業を持ち、売上高は11億5000万ドル(2016年予測)。日本へは2015年春にHCM分野で本格参入を果たし、ファーストリテイリング、ソニー、日産自動車などがユーザーとなっている。
Workday Rising 2015の会場風景。5000人が参加しているという
共同創設者兼チェアマン Dave Duffield氏
共同創設者兼CEO Aneel Bhusri氏
基調講演ではまず、Duffield氏とBhusri氏が10年間の業績や市場の評価を振り返った。ユーザー企業数はHCMが1062社、財務管理が160社、教育機関向けが24社。2011年にはNetflix、2012年にはMGMやHewlett-Packard(HP)、2013年にはLevi's、2015年にはIBM、Coca-Colaがそれぞれ顧客になった。顧客満足度は過去5年にわたって97%水準を維持している。
サービスの最大の特徴は、財務管理やHCMといったアプリケーションを単一のコードライン、単一のプラットフォーム、単一のセキュリティモデル、単一のバージョンで提供する「Power of ONE」モデルにある。単一のモデルをユーザー、コンサルティングパートナー、デベロッパーが共有することで機能の改善や追加、ノウハウの共有などがしやすくなる。
Bhusri氏は、従来の財務人事システムが、メインフレームとクライアント/サーバ(C/S)の荒波の間で行ったり来たりするヨットレースのようなもの(おそらくOracle製品を示唆)だとすると、Workdayは海面の上空で荒波をかるがると乗り越える雲だとし、会場の笑いを誘った。Duffield氏はOracleに買収されたPeopleSoftの創設者で、Bhusri氏もPeopleSoft出身だ。
Workdayが既存の統合基幹業務システム(ERP)パッケージと大きく異なるのは、クラウドとモバイルを前提としたシステムである点だ。企業ごとにカスタマイズを認めず、必要な機能はすべてコミュニティで議論してソースに実装するスタイルを取っている。
このため、グローバル展開する企業にとっては標準モデルを各国拠点に展開しやすいというメリットがある。各国独自の言語や商慣習、法令対応など業務に必要となる機能はすべて単一のコードラインへ反映される。カスタマイズ要求に対しては、ロケールの変更やユーザー定義項目の追加といった設定変更で対応する方針だという。
空の上にいるWorkdayは荒波にもまれることがないという
新機能は年2回のバージョンアップで追加されるが、あらかじめロードマップが示され、フィードバックを得る。そのため、イベントのRisingは新製品の発表とユーザー企業との議論の場という意味合いが強いカンファレンスになる。
新機能については、Bhusri氏とそれぞれの製品担当バイスプレジデントらが実演や映像を交えながら、紹介していった。最新版は9月にリリースされたWorkday 25で、半年後にWorkday 26が、1年後にWorkday 27がリリースされる予定となっている。