アルプス電気と日本IBMは10月6日、アルプス電気のセンサモジュール「IoT Smart Module」とPaaS「IBM Bluemix」を連携させたシステムの提供を開始すると発表した。データのセンシングからクラウドでの展開までスムーズになり、ユーザーは収集したデータを活用した新たなビジネスを展開する事が容易になるという。“モノのインターネット(Internet of Things:IoT)”を活用した新規事業への短期間での参入やデータを活用した新サービスの開始を支援する。
アルプス電気では2013年から、自動車やスマートフォンなどの既存事業に加えてIoT事業の強化を推進している。同社のIoT Smart Moduleは、コンパクトな筐体内に気圧や温湿度、照度などの環境情報を検知できる複数のセンサと無線通信機能を備えたモジュール。世界最小クラスかつ6軸(地磁気+加速度)検知も可能な「センサネットワークモジュール」と、防水防塵設計で屋外にも設置できる「環境センサモジュール」の2シリーズをラインアップしている。
環境センサモジュールは6月に、センサネットワークモジュールは10月に、それぞれ開発キットとして一般販売を開始している。環境センサモジュールは920MHz帯の通信、センサネットワークモジュールはBluetooth Smartにそれぞれ対応。Bluemixと連携するゲートウェイも開発キットとして提供されるため、住環境のモニタリングや健康管理、インフラ設備の監視など幅広い用途に応用できるという。
IoT Smart ModuleとBluemixが連携することで、センサデバイスの接続、制御、出力されるデータの収集、管理、イベントの処理フローの作成など、IoTアプリケーションに必要なシステムを包括的に提供できるようになり、データ活用がより容易になるという。
Bluemixでは、視覚的に論理フローを組み立てて、アプリケーションの処理ロジックを作成し、誰でも簡単にIoTデータを活用できる、APIを組み合わせてプログラムを作成できる機能「Node-RED」と双方向や1対多の通信にも対応する標準プロトコル「MQTT(Message Queue Telemetry Transport)」を採用している。Bluemixが誰でもつながる仕組みを提供することで今後、IoT Smart Moduleを利用するユーザーが簡単かつ迅速に活用できるプラットフォームとして広がっていくことが期待できるとしている。
IBMでは、クラウドを基盤としたマネージドサービスの恩恵を享受できること、グローバルなIT基盤を活用できることもIoTビジネスを拡大していく上では重要な要素と説明している。
アルプス電気は今後、介護や見守り、産機、農業、ウェアラブルといった用途や業界別のアプリケーション開発を視野にIoTシステムを拡充していく予定。環境センサモジュールとセンサネットワークモジュールの基盤としてBluemixと連携することで、幅広い業界でのIoTビジネスの立ち上げを支援していく。