最大の難関は「人」を変えること--EMC社内インフラ改革10年の内情

Aimee Chanthadavong  (ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-10-20 06:00

 EMCはITインフラの改革で世界各地の企業を支援するとともに、VMwareやRSA、VCE、Pivotalといった、業界における多数の企業と協力し、自らの立場を強固なものにしてきている。

 しかし、他の企業を支援しているからといって、同社が市場における競争や自社の変革と無縁というわけではない。

 実際のところ、EMCのIT担当シニアバイスプレジデントJon Peirce氏が米ZDNetに語ったところによると、テクノロジ企業と言えるEMCであっても、コスト管理やサービス品質、弾力性、アジリティ、セキュリティといった、業界内の同業他社が直面しているものと同じ難関を経験しているため、似たようなインフラ改革を推し進めてきているのだという。

 同氏は「EMCはテクノロジ企業としての歴史のなかで幾度かの変革を遂げてきており、継続的な変革が自らのDNAに刻み込まれていると考えている」と述べた。

 Peirce氏によると、同氏のチームは社内の他部門に対して義務と責任を負っている。それは、ITサービスプロバイダーとして自社に競争力をつけ、イノベーションを生み出し、競合他社よりも迅速に機会を収益化することだという。

 実際のところ、同社のインフラ改革は2015年でちょうど10年目を迎える。この改革は3つのステージに分かれており、最初に根幹となるインフラ、その次に運用モデル、そして最も新しいところでは社内のデータやアプリケーションの見直しを実施している。

 その結果、EMCは従来のインフラを置き換え、オンプレミス型のクラウド機能で構成された複数のデータセンター内にエンタープライズ規模のハイブリッドクラウドを構築した。

 Peirce氏によると、EMCは企業連合を構成しているがゆえに、VMwareの「VMware vCloud Air」といった他社ベンダーのソリューションを活用できるのだという。なおvCloud Airは、企業のオンプレミス環境上に構築されたプライベートクラウドにオフプレミス機能を追加する製品だ。

 同氏は「われわれはワークロードを適切な場所で実行するために、こういったソリューションを使用している。またわれわれは、Salesforce.comやServiceNowといった、自社クラウドでアプリケーションを提供している複数のSaaS企業の大口顧客ともなっている。このため、一部の業務はプロバイダーのクラウドから、また他の一部の業務はvCloud Air経由で自社のクラウドから、それ以外の業務はオンプレミス環境上のプライベートクラウドからといった、ハイブリッド形態でアプリケーションサービスを運用している」と述べた。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    「2024年版脅威ハンティングレポート」より—アジアでサイバー攻撃の標的になりやすい業界とは?

  4. ビジネスアプリケーション

    Microsoft 365で全てを完結しない選択、サイボウズが提示するGaroonとの連携による効果

  5. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]