最大の難関は「人」を変えること--EMC社内インフラ改革10年の内情 - (page 3)

Aimee Chanthadavong  (ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-10-20 06:00

 Peirce氏は改革が始まった頃、企業の方向性を理解している社員が実際には数パーセントしかいなかったにもかかわらず、ほとんどの社員が理解していると仮定してしまっていたという。

 同氏は「変革のリーダーとして学んだ教訓は、真の伝道者になるというものであり、その仕事の大半はメッセージを伝え続けるとともに、皆を支援するためのメッセージを伝えるさまざまな方法を模索することだ。あるいは少なくとも、組織内で理解の輪を広げていけるだけの一定数の人々に十分に理解してもらい、前進させていくために支援していくことだ」と述べた。

 とはいえ、変革を推進していくうえでのサポートを幹部らから得にくい世の中の多くの企業とは異なり、EMCでは変革をサポートする幹部チームが存在しており、そのことが武器になったという。

 同氏は「われわれは、組織とその幹部がともにITを深く理解しているという恵まれた環境にある。これによって、コミュニケーションという観点から見てものごとを進めやすくなる。その一方、自らもCIOの仕事ができるという信念を持っている幹部たちの存在により、さらに高い期待を背負うことになる。とは言うものの、これら双方の力によってわれわれはより高い次元に向けて駆り立てられるようになる」と述べた。

 同氏は、自社のインフラ改革により「コスト面での大きなメリットだけでなく弾力性の向上と複雑さの低減、速度の大幅な増加」がもたらされたと付け加えた。

 同氏は「これはコストと品質の間でトレードオフを強いられない珍しいケースの1つだと言える。すべては同じ方向に向かって進んでいる」と述べた。

 「このような好循環を推し進めるには、標準化というコンセプトについて熟考する必要がある。標準化は、毎回その場の限りのアプローチを採るよりも最終的に優れた成果をもたらせるとはいえ、組織にとっては完全に受け入れ難い場合もある。この点についてはわれわれも、会社として標準化を受け入れた際の経験から実感している」(Peirce氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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