SAPジャパンは10月19日、日本におけるIoT(Internet of Things:モノ・コトの相互接続)を活用した「第4次産業革命」を推進する専任組織「IoT/IR4(Internet of Things / Fourth Industrial Revolution)」を発足したと発表した。
近年では、ドイツ発の「インダストリー4.0」を筆頭に、米国の「インダストリアルインターネットコンソーシアム」、また日本の「ロボット革命イニシアティブ協議会」など、IoTをテコとして製造業にあらたな競争軸をもたらす活動が活発に行われている。
しかし、第1次~第3次までの産業革命が主に「製造業」革命であったのに対し、IoTとデジタル化がもたらすとする第4次産業革命では、製造業と非製造業の境界をなくし、あらゆる業種・業態に広範なインパクトをもたらす点で大きく異なるという。
IoTとは「顧客観察プラットフォーム」であり、顧客による利用状況をより精緻に把握することによって、顧客のことを顧客自身よりも深く理解することが可能になるとする。一方、ERPとは「企業のデジタル・ツイン構築」のためのツールであり、企業の競争力の源となっている既存の業務プロセスをデジタルに把握しシームレスにつなげることで、より高度な企業活動を実現している。
SAPジャパンでは、IoTによって得られる顧客理解を、デジタル化された業務プロセスとつなぐこと(IoP:Internet of Processes)により、企業は顧客の真の欲求をより高い次元で満たす、新たな競争軸を手にできるとしている。
そこで同社では、第4次産業革命をより強力に推進し、日本企業のあらたな競争力強化に、顧客やパートナーとともに取り組む専任組織を発足させることにしたとのこと。組織は約50名で構成され、今後さらに増強していく予定。
なおSAPジャパンでは、本年7月に「SAP Industry 4.0 Co-Innovation Center powered by COIL Tokyo」を設置し、インダストリー4.0に対する取り組みを進めてきた。今回それをさらに強化し、また対象業種も製造業に限らず全業種とすることで、日本企業が「第4次産業革命」を先んじて制するための支援を行っていくという。