Trend Microは米国時間10月21日、TippingPointの買収契約をHewlett-Packard(HP)と正式に締結したことを発表した。買収金額はおよそ3億ドルで、買収手続きは2015年第4四半期中に完了する予定。
HPのセキュリティ事業部門に属するTippingPointは、侵入防御システム(IPS)や境界防御システムを専門としており、数千の法人顧客を擁している。3億ドルの買収契約には、TippingPointのセキュリティ製品群、知的財産、現状の顧客ベースに加えて、脆弱性の保護サービス「DVLabs(Digital Vaccine Labs)」と、ゼロデイ攻撃を未然に防ぐために活動するセキュリティチーム「Zero Day Initiative」の譲渡が含まれている。
プレスリリースによると、HPがTippingPointの売却を決断した理由は、今後予定されている分社化計画に伴い、セキュリティ事業部門のリソース配分を最適化するためだという。ただし、HPは買収手続きの完了後も、ネットワーク製品やエンタープライズセキュリティなどの事業分野で、TippingPointとの戦略的パートナーシップを継続するとしている。
一方、買収でTippingPointの製品、技術、サービスを手に入れることになるTrend Microは、エンドポイント、ネットワーク、データセンター、クラウドを網羅したワンストップソリューションの実現による、エンタープライズセキュリティ市場でのプレゼンス強化を目指している。また、同社はネットワーク防御を専門とした事業部門の立ち上げも計画しており、3500社に及ぶ企業が同事業の顧客になると見込まれている。Trend MicroのCEOであるEva Chen氏は「市場で高い評価を得ているTippingPointのIPSは、当社が提供する業界最高水準のネットワークセキュリティ製品群を補完するうえで、理想的なソリューションである」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。