海外コメンタリー

DevOpsの投資対効果はどう測るべきか - (page 2)

Joe McKendrick (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2015-11-04 06:30

 以下に、Waterhouse氏が説明した、DevOpsの成功を測る上で重要な指標を挙げることにしよう。

顧客価値、ビジネス価値:これらの指標はビジネスが何を得ているかに焦点を当てるもので、Waterhouse氏は「顧客ロイヤルティの向上や製品化までに要する時間の短縮など、ビジネス目標に対するDevOpsの貢献を計測できるようにする」と述べている。「DevOpsの実践者は、製造業のリードタイムの概念を応用して、それと似た指標(コードの開発が始まってから、製品の導入が問題なく完了するまでの時間)を考えることができる。これは、DevOpsが高品質なソフトウェアサービスを素早く提供するというニーズを、どれだけ満たせたかを判断するためのものだ。リードタイムが長い場合、深刻なコードの不具合や、テストに対する制約、論争などが存在する可能性があるため、この指標は特に重要だ」(Waterhouse氏)

提供:HubSpot
提供:HubSpot

文化、共同作業、共有:「このカテゴリの指標は、DevOpsの取り組みの足場となる文化的な基盤だ。これらは、新しいDevOpsの考え方に対する現在の受容度や抵抗を示すため、特に価値がある」とWaterhouse氏は述べている。このカテゴリの指標には、スタッフの定着率、離職率、従業員の士気、変化への対応の早さなどが考えられる。

効率と効果:これらは、主に従来からある運用上の課題、例えばサーバ数と管理者数の比率、トランザクションコスト、データセンターの効率、リリースのコストなどに焦点を当てる指標だ。Waterhouse氏はまた、顧客中心的な指標を取り入れることも重要だと述べている。例えば、顧客あたりの常勤従業員数などだ。

品質と速度:この分野の指標は、サービスの提供に関するものだ。例えば、コードの不具合、機能停止、ユーザーからの否定的な反応などを原因とする、導入済み環境のロールバックの割合などが考えられる。「これらの指標は、ほかの指標と組み合わせることで、別の知見を得ることもできる」とWaterhouse氏は指摘する。「たとえば、変更量が少ない時期にロールバックの比率が増えていれば、より深刻な問題が起きている可能性が考えられる。手動またはスクリプトによるリリースプロセス、タスクの切り替え、過剰な引き継ぎなどによる問題が起きているかもしれない」。そのほかの重要な指標には、Waterhouse氏が「チームがいかに効果的に変化に対応しているかを示す重要な指標」だとする、サイクルの周期や平均修復時間(MTTR)などがある。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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