DevOpsの投資対効果とは何だろうか。
ElasticBoxの最高経営責任者(CEO)であるCarol Carpenter氏は、DevOps.comに最近掲載されたインタビューでこれを問われて、DevOpsに投資することで、どれだけの利益が得られるかについては、まだ分かっていないことが多いと答えている。同氏は、「何に対して投資しているのか?どのようにお金を使っているのか?それによって何が得られるのか?DevOpsに関するROI分析はまだ初期段階にあり、未成熟だ」とコメントしている。
DevOps.comの編集長Alan Shimel氏との議論の中で、Carpenter氏は、DevOpsチームは非常に薄く広がっている傾向があり、「今では、開発や導入に属する種類の仕事に加えて、従来のIT運用チームがやっていた仕事を求められ、その上これらの異なるグループ間のコミュニケーションを取り持つことも要求されている」状態だと話している。
- TechRepublic Japan関連記事
- CA Devcenter:DevOps実現へアプリの継続的デリバリを支援するソフトウェア
- Visual Studio:iOSやAndroidのアプリも作れる統合開発環境
Shimel氏も、事業部門とIT部門の両方のリーダーが、DevOpsはいいことだと本能的に理解しているが、これをどう数字にすればいいかは分かっていないと同意した。「オートメーションはよいことであり、DevOpsは役に立ち、リリースは増え、IT部門の機能が高まれば利益と生産性にも直接的によい影響を与えると本能的に理解できれば」、リーダーたちはDevOpsを認めるとShimel氏は指摘している。「しかし、財務畑の人間がこの領域に入ってきて、本物の統計的分析を行い、そこから得られる見返りであるROIを示したことも、どれだけ利益が増えるかを示したこともない」(Shimel氏)
DevOpsは、開発者の創造性やイノベーションと、企業からの要求で一層進んでいる製品の提供、実装サイクルの短縮化を両立させるための、最善のアプローチだと考えられている。この種の取り組みには非常に多くのリソースを必要とし、そこにかかっているものも大きいため、成果を数字で表すことは極めて重要だ。
CA TechnologiesでDevOpsを推進しているPeter Waterhouse氏は、DevOpsの成功がビジネス的な価値を提供できているかどうかを測るいくつかの指標を、一連のガイドラインで示そうと試みた。Waterhouse氏の分析の重要なポイントは、DevOpsが成功するには、単にソフトウェアを早く世に送り出したり、何らかのスケジュールを守る以上のことが必要になるということだ。DevOpsの成功は、ビジネスに対して、どんな価値をもたらしたかで測られる必要がある。より効果的に競争できるようになったか?顧客により多くの価値を提供しているか?Waterhouse氏の考えでは、DevOpsの成功は「速度や、提供に多くの力を割かないことで増えた不具合の数や機能の数、顧客の満足度やロイヤルティ」で単純に測ることはできない。