NetMarketShareが毎月発表している、デスクトップOS利用シェアの最新の数字が出た。それによると、「Windows 7」と「Windows 8/8.1」のユーザーが現OSの利用を継続する傾向が強まり、「Windows 10」の増加は減速している。
提供:NetMarketShare
OSの利用シェアに関する議論になると、全体像よりも細かな数字にこだわる人が多い傾向がある。今回はパーセンテージの上下にこだわるのではなく(その種の情報が好きな人のために、数字は示すことにする)、全体的な傾向のパターンについて考えたい。
10月の変動は以下の通りだ。
- Windows 10の利用率はわずかに増加した(6.63%から7.94%になり、1.31ポイント上昇)。この増加スピードは、9月に比べ減速している(9月には、Windows 10の利用率は1.42ポイント増加した)。
- Windows 7は半分以上のコンピュータで使用されており、10月の減少幅は1ポイント未満だった(現在のシェアは55.71%で、0.82ポイントの減少)。
- Windows 8と8.1のユーザーは、ほとんど移行していない(この2つのOSの合計シェアは13.22%で、0.10ポイントしか減少していない)。
- Windows XPの利用率も、事実上変化していない(現在のシェアは11.68%で、0.53ポイントの減少)。
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StatCounterによる10月の統計も、同様の傾向を示している。
Windows 10へのアップグレードが無償で提供されることが明らかになったとき、筆者は現状よりもはるかに早いペースで導入が進むと予想していた(「iOS」、「OS X」、「Android」の導入ペースを見れば、無料で提供されたものは喜んで使う人が多いように思える)。しかし、現在のOSシェアの傾向を見る限り、このことはWindowsには当てはまらない。そしてこれは、Microsoftが事前にユーザーに「登録」を促すなど、興味のないユーザーに積極的に売り込んでいた上での結果なのだ。
これだけ動きが鈍いのには、明らかに何か原因があるし、ユーザーにアップグレードを強制することが問題の解決に繋がるとも思えない。Microsoftは、なぜ消費者がMicrosoftの無償アップグレードの勧めに価値を見いだしていないのかという、元々の原因を解決する必要があるだろう。
それに加え、Windows 10は悪いオペレーティングシステムではない。確かに、筆者は今でも時折、性能や安定性の問題に遭遇しているが、11月中の提供が予定されている「Threshold 2」では改善されると期待している。だが、あまり目立つ特徴がないことも確かだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。