Arca Noaeは、「OS/2」の完全新規ディストリビューションを開発している。このディストリビューションは、OS/2を最新のハードウェア上でアップグレードしたり導入したりする際のトラブルを減らしてくれるはずだ。
「Workplace Manager」上で開かれているさまざまなウィンドウ
提供:Screenshot by James Sanders/TechRepublic
OS/2のユーザー、開発者、熱心なファンが集まる年次イベント「Warpstock」が米国時間10月23~25日、カンザス州ウィチタで開催された。新規メジャーバージョンの開発が1996年に終了したオペレーティングシステムであるOS/2のコミュニティが、年次大会を開催できるほどの活気をいまだに保っているのは驚くべきことだ。さらに驚くべきことに、このコミュニティは年次イベントを2つ持っており、2016年5月にはドイツのケルンで「Warpstock Europe」が開催される予定になっている。
しかし2015年のイベントは、この数年でもっとも重要な大会だったと言っていいだろう。なにしろ、OS/2の復活が発表されたのだ。
Blue Lion--OS/2の復活
OS/2エコシステムのベテランたちが運営する組織Arca Noaeは、IBMからOS/2の新たなディストリビューションを販売するライセンスを取得した。このディストリビューションには、現在「Blue Lion」というコードネームが与えられている。
この新規ディストリビューションには、アップデートされたソフトウェアパッケージが付属する。これには最新のバージョンのACPI、USB 1.1および2.0、Serial ATAディスクを使用するのに必要なAHCIサポート、パノラマディスプレイドライバ、ネットワークカード用のMultimacドライバスイート(無線サポートも今後提供される予定)、ALSA互換サウンドドライバである「Uniaud」などが含まれるという。すでにOS/2を導入しているユーザーは、これらをArca Noaeから入手できるようになっており、購入者はBlue Lionへのアップグレードに割引を受けられる。
新機能
Blue Lionの新機能には、USBドライブからのインストールも可能になった、完全に作り直されたインストールプロセスが含まれている。さらに、ネットワークインストールについても検討されているという。これは、WindowsやLinuxディストリビューションの最近のインストーラと同じように、インストール中にインターネットに接続して、最新のパッケージをダウンロードし、最初の時点でシステムを最新の状態にするものだ。SMPサポートの修正についても計画されている。
リリース時期
リリース時期についての話題になると、Arca Noaeの経営メンバーであるLewis Rosenthal氏(Warpstockの財務担当でもある)は、OSの新しいディストリビューションをまとめる難しさと作業量について強調した。最新のデバイスドライバに関する作業のほとんどはすでに終わっており、現在購入可能になっている。今後は新しいインストーラと、OS/2 Warp 4.52およびe-Business Serverに存在する低レベルの問題に対する修正が統合されて、製品版のBlue Lionになる。