エネルギー消費効率の高いスーパーコンピュータを選ぶ「Green500」の最新ランキングが、米国時間11月18日に発表された。理化学研究所(理研)の「Shoubu(菖蒲)」が前回に引き続き首位を維持、2位は東京工業大学「TSUBAME-KFC/DL」となり、日本勢が1位と2位を独占した。
Green500はスーパーコンピュータをエネルギー消費効率の面から評価するランキングで、年に2回発表される。エネルギー消費効率は、ワットあたりのフロップス数で測定する。
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18回目となる今回の1位は理研のShoubuで、7031.57メガフロップス/ワット(MFLOPS/W)、合計消費電力は50.32キロワット(kW)。Shoubuは2.4GHzの「Intel Xeon E5-2618Lv3 8C」と「PEZY-SC」プロセッサを搭載するヘテロジニアス型で、冷却装置は「ExaScaler-1.4」(80Brick)、Infiniband FDRインターコネクト技術を用いる。理研のShoubuは前回(2015年6月)初めて1位を獲得、2回連続でトップとなった。消費電力性能値が7000メガフロップス/ワット(7ギガフロップス/ワット)台に到達したのはShoubuが世界初で、今回も7000台はShoubuのみとなった。
2位は東京工業大学のTSUBAME-KFC/DL。プロセッサは2.1GHzの「Intel Xeon E5-2620v2 6C」、「NVIDIA Tesla K80」を搭載し、電力あたりの性能は5331.79MFLOPS/W、合計消費電力は51.13kW。前回5位からのアップとなる。
3位はドイツ重イオン研究所の「ASUS ESC4000 FDR/G2S」で、5271.81MFLOP/Wと57.15kW。4位は中国科学院近代物理研究所の「Sugon Cluster W780I」で、4778.46MFLOP/W、65kW。5位は米スタンフォード大学の「XStream」。中国は今回上位10機種中6機種を占めた。
トレンドとして、Shoubuに代表されるような2種類以上のシリコン技術を用いるヘテロジニアスタイプが増えており、今回は上位3機種を含む40機種がヘテロジニアスタイプだったという。前回の32機種から25%増加した。