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クラウドノウハウを蓄積する組織を社内に--AWS

山田竜司 (編集部)

2015-12-08 07:30

 アプリケーション性能管理(APM)ソフトウェアを展開するAppDynamicsが米国時間の11月30~12月4日に開催し たユーザー向けのカンファレンス「AppDynamics APPSPHERE 2015」。この中でAmazon Web Services(AWS)でGlobal Head of Enterprise Strategy(大企業向け戦略担当責任者)を務めるStephen Orban氏がエンタープライズITの未来を語った。


Amazon Web Services(AWS) Global Head of Enterprise Strategy のStephen Orban氏

 Orban氏はかつて BloombergやDow Jonesで最高情報責任者(CIO)を務めた経験から、エンドユーザーの視点で、クラウドがどのように顧客のビジネスに役立つか、「クラウドファースト」への道筋を解説した。

 「もしあなたのIT部門が30%以上の人的資源を社内の(インフラではなく)アプリケーションのために振り向けることができるとしたら」――。Amazon Web Services(AWS)の利用者は世界中に広がっているが、従来からのシステム構造をそのまま引きずっている企業も多い。それらの企業は 情報セキュリティや顧客向けアプリケーション、社内アプリケーション、エンドユーザーコンピューティング、そしてITインフラの5つの機能を持ち、従来のこれらの資源をAWSのサービスに置き換えただけの状態を維持しているという。


クラウドファーストで構築すると、従来からのITシステムの構造が劇的に変わるという

 しかし、これらをクラウドファーストで構築すると、従来からのITシステムの構造は劇的に変わると強調する。「ITインフラはすべてAWSに託すことができ、アプリケーションもAWSの提供するサービスをそのまま活用できる。開発はDev/Opsを推進する方向になるだろう」(同氏)

 各機能でクラウド活用が進んだ結果、IT部門は30%の人的資源を顧客向けアプリケーションに振り向けることができ、それはビジネスのデジタル化への原資になると指摘する。

 一方、クラウドファーストへの変革をどのように進めていくべきかに関しては「長い旅路となる」とし、ロードマップを示した。

 まず、エグゼクティブの協力と予算獲得が必須である。何のためにクラウド化を推進するのか、社内のIT全体会議でその目的を説明し、ブログなどで情報発信をするといったコミュニケーションに注意を払うほか、クラウドファーストへの“抵抗勢力”を可視化するなど、トップダウンによるスタート前の整理は重要であるという。

 次に、実験をしてみること――「パイロットプロジェクト」と呼ばれる作業の重要性を指摘した。いくつかの簡単な環境をクラウドに移行して、どんな作業と考慮が必要なのかを実際に体験することだ。

 「クラウド化は一夜にして成るものではない。少なくとも自分のDow Jonesでの経験では、最初のトライアルは困難を伴っていた。しかし、一旦パイロットプロジェクトでクラウド移行への全プロセスを経験すると、その後は増殖するイメージで(クラウド環境が)自動的に拡大していった」

 また、このクラウドマイグレーションの際に、AppDynamicのようなアプリケーション性能管理(APM)ツールを利用することを推奨する。オンプレミスの状態でのアプリケーション性能を測定し、それをクラウド移行後と比較をして、さまざまな検証により移行に際しての注意点や知見を得られるためだ。

 ここを上手く通過すれば、あとの旅路はスムーズという。パートナーを選択し、豊富なマーケットプレイスなどから利用価値の高いアプリケーションを選ぶ。

 クラウドについての知見を蓄積する組織として「Center of Excellence」を構築して、知見を体系化し、クラウドファーストで考える社内IT標準を確立させるだけでいいと語る。

 「それだけで、前払いしてかつ償却しなければならないどころか、高い保守料まで払わされる恐竜のようなシステムとお別れして、クラウドを利用する方向に転換ができる。それはあなたの企業にさらなる成長をもたらすはずだ」


クラウドファーストのシステム構造。システムの大半をAWSで構築している

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