サンフランシスコ発--Oracle主催の年次イベント「Oracle OpenWorld 2015」の最重要課題はクラウドだ。米国時間10月27日、同社はクラウド関連製品についての多くの新情報を発表した。
Oracleも具体的に名指ししており、新たに追加されたサービスや機能を見ても分かるとおり、同社が特に標的にしているのはAmazon Web Services(AWS)だ。
もっとも目立った新製品は「Elastic Compute Cloud」だろう。このサービスには「Elastic Compute」と「Dedicated Compute」の2つの選択肢があり、これらは共有または隔離されたコンピュートゾーンでワークロードを実行するためのインフラサービスとなっている。WindowsとLinuxの両方を含むいくつかのOSがサポートされている。
また、「Oracle Compute Cloud」では、この1年強で急速な普及を見せている、Dockerベースのコンテナを使ったアプリの導入と実行が可能になった。
同社はさらに、ネットに接続されたアプリ、ハードウェア、センサ、および受信データのために設計された専用クラウドサービスを用意して、モノのインターネット(IoT)の分野にも深く切り込んでいる。
Oracleが強調するのは、同社の新しいクラウドストレージやネットワークサービスと同じく、オンプレミスかサービスとしてのソフトウェア(SaaS)かに関わらず、サードパーティーのソフトウェアプロバイダーと柔軟にリンクできる点だ。
さらにそのデータを活用するため、同社は「Data Visualization Cloud Service」を導入する。これはさまざまなデータ源(SaaSアプリ、オンプレミスシステム、個人のファイル、その他の外部のデータ源を含む)からデータを取り込み、それを処理してビジネスのトレンドや知見を視覚化するものだ。これを使用して作成された資料は、モバイルとデスクトップの両方を通じて、組織全体で共有することができる。
すでに多くの大手企業が、モノのインターネットの普及を見越して、ネットに接続されたアプリやデバイスからのデータの大幅な増加に対応するためのクラウド製品を発表しており、これにはSalesforce.com、IBM、そして最近ではAWSが含まれる。
またAmazonは、規模の変更が可能で簡単にクラウドを構築できるよう設計されたウェブサービスインターフェースである「Elastic Compute Cloud」(EC2)を通じて、多くの新しいデータアナリティスクスサービスやストリーミングサービスを提供している。
Oracleによれば、数年前にリリースされた同社のクラウドは現在、世界19カ所のデータセンターで、7000万人のユーザーにサービスを提供し、1日あたり340億トランザクションを処理するまでに成長したという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。