米国の情報先端研究プロジェクト活動(IARPA)プログラムは今週、IBMに対し世界初の汎用の量子コンピュータを構築するための助成金を付与したことを発表した。
IBMは4月、量子コンピュータの進化において画期的と思われる発表をした。2種類の量子エラーを検出する機能と、正方格子量子ビット回路の構築だ。
IARPAの助成金は、David Moehring博士が率いる同団体のLogical Qubits(LogiQ)プログラムの下で交付される。
IARPAによると、LogiQプログラムは、物理的な量子ビット(qubit)から論理的な量子ビットを構築することで現在の量子システムの限界を超えることを目指すという。
LogiQプログラムの下で、IBMの研究チームは超伝導量子ビットを利用して汎用の量子コンピュータの開発に取り組む。「超電導量子ビットを論理量子ビットにエンコードし、本物の量子コンピューティングを行うことができる」とIBMは説明している。このような論理量子ビット設計は将来に向けての土台となり、さらに複雑な量子コンピュータシステムの実現につながるという。
IBMによると、量子コンピュータの研究における大きな課題として、十分に高品質な量子ビットを作成するのが難しいことが挙げられるという。また、熱や電磁放射が引き起こすエラーを制限しつつ、複雑な演算を制御可能な方法で処理できるように拡張できる方法でパッケージする方法を見出すことも課題としている。
「量子コンピューティングは、今日の最もパワフルなコンピュータが達成不可能なレベルで、飛躍的に速度とパワーを改善すると期待できる。地球規模で企業のニーズに影響を及ぼす可能性もある」と、IBM Researchでシニアバイスプレジデント兼ディレクターを務めるArvind Krishna氏は述べている。
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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。