Intelは米国時間9月3日、量子コンピューティングの進展に向けた取り組みの一環として、オランダのデルフト工科大学とオランダ応用科学研究機構(TNO)に5000万ドルを投資するとともに、エンジニアリングリソースを提供すると発表した。
量子コンピューティングの実現により、複数の技術的なブレークスルーが達成されるとともに、新たな応用分野が広がっていくとされている。量子コンピュータでは計算単位として、同時に複数の状態を保持し、並列処理が可能なキュービット(qubit)と呼ばれる量子ビットが用いられる。そして量子コンピュータは、今日使用されているトランジスタや2進数を用いるコンピュータを置き換えると期待されている。
Intelの投資は、商用化にはまだ時間がかかる量子コンピューティングという概念の普及に貢献する可能性もある。IBMは量子コンピュータ分野における最大手のテクノロジ企業のうちの1社だ。同社は、量子コンピュータに搭載するプロセッサの開発研究に膨大な資金を投じてきている。
このほかにも、Googleから米航空宇宙局(NASA)に至るまでのさまざまな企業や組織が量子コンピューティングに取り組んでいる。
Intelは、量子コンピューティングの研究における製造や設計のノウハウで貢献できると述べている。
同社にとって量子コンピュータへの投資は、未来にかかわり、自社を重要な存在とし続けるための手段だ。同社の最高経営責任者(CEO)Brian Krzanich氏は、テクノロジ業界が量子コンピューティングの発展に向けたエンジニアリング上の取り組みで力を合わせていく必要があると述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。