丸紅情報システムズ(MSYS)は12月24日、ソフトウエア品質検証ツール専業メーカーの英Testplant Europe Limitedと国内販売代理店契約を締結した。同社製のソフトウエア品質検証ツール「eggPlant」の販売を同日から開始する。3年間で10億円の売り上げを見込む。
エッグプラント画面例(MSYS提供)
eggPlantは、金融、通販、アミューズメントなどのアプリケーション開発分野で幅広く採用されている。世界では500社以上の導入実績がある。PC、スマートフォン、タブレット、大型汎用コンピュータなどさまざまな端末で稼働するソフトウエアの機能テスト自動化ツール「eggPlant Functional」を軸に、テスト用途に応じた以下の8製品をラインアップしている。
・eggPlant Functional
デスクトップからモバイルまで対応のクロスプラットフォーム機能テスト自動化ツール。
・eggPlant Performance
クラウドベース、サーバーベースアプリケーション用負荷/パフォーマンステストツール。
・eggPlant Network
エンドツーエンドの各種テスト実施およびユーザーエクスペリエンス用ネットワークエミュレーションツール(LAN/WAN/3G/4G/Wi-Fiなどに対応)。
・eggPlant Manager
テスト環境管理およびテスト実行管理ツール。
・eggPlant Cloud
自動化テストおよびマニュアルテスト用のプライベートかつセキュアなテストクラウド環境構築ツール。
・eggPlant Man
各種テスタとあらゆるテスト対象システムを接続するマニュアルテストツール。
・eggPlant Integration
ALMとCI製品へのインテグレーションオプション。
・eggPlant Box
オールインワンのテストラボ用パッケージ。
中核製品であるeggPlant Functionalは、ソフトウエアが稼働するOS、ウェブブラウザ、端末の種類にかかわらず、クロスプラットフォーム(機器間の互換性)でテストを自動化する環境を素早く構築できること。
特徴は、Testplantが米国特許を取得しているリモートデスクトップ環境のVNC(Virtual Network Computing)サーバを活用したテスト自動化技術と、画像認識技術、OCR(光学式文字読取装置)技術を採用している点。
テスト端末の画面上でテスト手順に従ってアプリケーションを手動で操作すると、独自技術によってその操作手順を記録し、視認性の高いテスト自動化用スクリプト(SenseTalk)を生成、次回以降は生成されたスクリプトに従って自動で同じ手順で操作できる。
キーボード、マウス、画面を使って操作するアプリケーションであれば、どのような端末上でもテストの自動化を実現する。複数言語に対応し操作画面上のメニューや機能ボタンなどを自動認識、端末ごとに操作画面上のメニューや機能ボタンの配列が異なる場合にも、ソフトウエアの機能テストにおける省力化が可能。同製品によるテスト自動化によって、人的ミスの排除、テスト工数の削減、テスト期間の短縮、製品リリースの迅速化を図れる。
iPhone用に開発されたアプリをAndroid用に移植した際のテスト、GUI画面を有するプログラム開発でのテスト、車載画面操作テスト、医療機器システム開発などの組込み機器のテストに活用されている。
MSYSは、これまで自動車や医療機器などの製造や、ゲーム開発、IT、小売りなどのアプリケーション開発向けに、ソースコード静的検証ソフトウエア「Klocwork」の販売と技術サポートを実施してきた。eggPlantにより、ソフトウエア品質検証事業を拡充する。