総務省は1月21日、ベルリンにおいて19~20日の2日間にわたって実施された次官級での日独ICT政策対話(第1回)の結果について発表した。p>
本政策対話は日独両国間の情報通信分野における政策面での相互理解を深め、両国間の連携/協力を推進することを目的として、ドイツ連邦経済エネルギー省(旧情報通信政策当局)などとの間でICT政策全般について話し合うもの。
これまでは日独定期協議という枠組みで、2006年まで11回にわたり情報通信および郵政事業に関する会合が開催されてきたが、情報通信を巡る環境変化に伴い、このほど両国間の情報通信分野での連携/協力に重点をおいた対話の枠組みとして、新たに第1回日独ICT政策対話として開催した。
日独両国は、情報通信分野における連携/協力の継続・強化のため、今後も定期的に本政策対話を開催することとしている。
第1回となる今回の政策対話では、日独両国における政策動向等を踏まえ、また4月に開催されるG7香川・高松情報通信大臣会合を見据え、主として以下の事項について対話を行った。
IoT(Internet of Things)
独側からは、民間企業における「インダストリー4.0」の進捗状況や、家庭内のさまざま機器を外部から制御等可能な「スマートホーム」の取組などについて説明。日本側は、産学官共同のプラットフォームの構築をはじめとするIoTに関する日本政府の取組の推進状況や、IoT時代における主要課題であるプライバシーやセキュリティブロードバンドについての取組について説明。
欧州デジタル単一市場
独側は、EUを中心に制度改革などを推進中の「デジタル単一市場」や、欧州データ保護規則の制定などについての最近の動向と、独としての評価について説明。日本側からは、日本企業を含めた本件に関する関心と認識について伝え、引き続き情報のアップデートを求めた。
5G
モバイルデータ通信需要の急増を踏まえ、5Gなど将来の移動体通信に関する施策のあり方などについて意見交換を行い、検討を継続することなどを確認した。
電気通信分野における競争政策
日本側から昨年行われた電気通信事業法の改正等電気通信分野における競争政策の最新動向について説明を行い、独側から現在欧州委員会で行われている電気通信事業規制の見直しや最近の裁判事案等について説明が行われ、今後も当該分野のベストプラクティスの共有を図っていくことを確認した。
国際機関等におけるインターネットと通信の政策課題に係る議論
2015年12月にニューヨークで開催された世界情報社会サミット(WSIS+10)ハイレベル会合や、5月に開催されるITU理事会、6月に開催されるOECD閣僚級会合など、インターネットガバナンスなどを巡る国際的な動きについて情報と意見を交換、同分野においては両国政府が今後もさまざまな国際会議において協調して対応していくことを確認した。