ウイングアーク1stは2月1日、帳票クラウドサービス「SVF Cloud」をバージョンアップし、ウェブAPIの公開、DirectPrint機能を同日から新たに追加すると発表した。
クラウド環境で運用する多様な業務システムやクラウドサービスと、SVF Cloudがつながり、クラウド環境の印刷データを自社内の手元のプリンタに直接印刷できるようになる。エンドユーザーは環境を意識することなく、用途に応じたハイブリッドな帳票出力環境を手軽に利用できる。
「SVF Cloud」連携図(ウイングアーク提供)
SVF Cloudは、同社の帳票基盤製品「SVF」をクラウド上で提供する帳票クラウドサービス。クラウド基盤としてAWSを全面的に採用している。 SVF Cloudの主な機能は以下の通り。
- テンプレートを利用し企業の帳票、ドキュメント文化に沿ったオリジナル帳票の作成が可能
- 帳票リクエストに応じて、スケーラブルにシステムが自動対応
- オンプレミス環境とクラウド環境を意識しないハイブリッドな印刷環境が実現可能
今回新たに公開される機能のうちウェブAPIでは、AWSやMicrosoft Azureなどをはじめとしたクラウド環境で運用している多様な業務システムやクラウドサービスと、SVF Cloudとをつなげるようにする。クラウドアプリケーションごとに帳票システムを選択する必要がなくなり、クラウド環境におけるシームレスに連携した印刷を実現、クラウド上における帳票出力基盤として活用できるようになる。
一方のDirectPrint機能は、クラウド環境で生成した印刷データを自社内に設定しているプリンタに接続し、直接印刷することができる機能。これまではクラウド環境と自社内のシステム環境にVPNを設定するなどの必要があったのに対し、本機能では企業内で利用しているネットワーク設定を変更することなく印刷できるため、印刷業務フローを社外での印刷を含め「いつでも」「どこでも」運用できるようにする。
SVFで実績を持つ各プリンタメーカーのドライバを標準装備し、複合機をはじめ、ドットプリンタやラベルプリンタなど業務に特化したプリンタにもネイティブに出力が可能。クライアントツール「SVF Cloud Agent」を複数台の端末に設定することにより、1つの端末が障害を起こしても自動的にプリンタに切り替え(自動冗長化)、他の端末に入っているSVF Cloud Agentに自動的に印刷データを渡して出力できる。
さらに、「誰が」「いつ」「どこで」「何を」印刷した、といったデータも取得でき、トレーサビリティや、セキュリティにも活用できる。
SVF Cloudの価格は初期費用20万円+年間36万円から(税別、出力数により異なる)。同社ではSVF Cloudについて、企業のクラウド帳票印刷のデファクトスタンダードを目指すとしている。