インフォアジャパンは2月2日、サプライチェーン実行系アプリケーションの新版「Infor Supply Chain Execution(SCM) 10.4」の日本市場での提供を開始した。倉庫管理の新機能、業界に特化したダッシュボード、カスタマイズ性を向上させたユーザーインターフェース(UI)などが新たに提供される。
Infor SCEは、倉庫管理システム「Infor WMS」に、労務管理、サードパーティーへの請求処理(3PLビリング)、輸送管理機能を組み合わせたサプライチェーン実行系アプリケーション。オンプレミスとクラウドの両形態で利用でき、在庫や倉庫スペース、倉庫で働く人員を最適化し、複雑なサプライチェーンでのビジネスプロセスを合理化する。
新版の10.4では、さまざまな業界のユーザーからのフィードバックを反映し、商品受注から出荷管理の一連の作業である“フルフィルメント”に対応した倉庫管理の新機能を追加。業界ごとに特化した新しいダッシュボード、UIをカスタマイズするための拡張機能なども追加された。これらの新機能により、動きの激しいサプライチェーンの動きをサプライヤーや顧客の視点から可視化できるという。主な新機能は以下の通り。
TechRepublic Japan関連記事:ハイブリッドクラウド座談会
(1)企業ITの行き先を徹底討論する
(2)エンタープライズ×AWSをさまざまな視点で議論
(3)SDNやDockerは何を変えるのか
(4)アーキテクチャを理解しておく必要がある
(5)IT部門に求められるスキルが変化している
フルフィルメントに対応した動的スロッティング
倉庫への割り当て(スロッティング)を動的に対応する機能を搭載した。倉庫管理者に商品の回転スピードや関連情報の変化にあわせた倉庫レイアウトの組み直しを提案できる。あらかじめ指定された保管場所がなくても、自動で割り当てられるようになった。
入庫品質管理の強化
入庫品質管理機能を追加し、入庫品をサンプリングして品質と調査し、その結果を効率的に追跡できるようになった。新しい設定画面でオーナー、サプライヤー、品目レベルでサンプリングルールを定義し、サプライヤーへの品質管理を強化できるという。
HTML5に基づくRF(無線)デバイスでのウェブUI
既存のtelnetでのRFデバイスへの対応に加えて、HTML5に基づくRFデバイスでのウェブUIの提供が可能となった。これにより、プラットフォームに依存せずRFデバイスやスマート機器を活用できる。細かく設定できるメッセージングアプリケーションの追加でRFデバイス同士での会話が可能になり、倉庫プロセスを迅速化できるとしている。
業界に特化した3つの新しいダッシュボード
小売りや、ヘルスケア、3PLの3つの業界向けダッシュボードを追加。使いやすさと業界向け機能にこだわった画面設計で、業界特有の主要評価指標(KPI)を閲覧できる。
UIをカスタマイズするための拡張機能
新しいRFデバイスの画面デザイン機能や、フォームベースの画面設定機能など、コードを変更することなくユーザー自身が画面をカスタマイズできるなどの拡張機能を追加。「Infor Reporting 10.4」への対応、ガントチャート形式でアポイントメントを確認できる新しいグラフィカルビューも追加された。
今回追加したモジュールは、UX 3.0に準拠したスタイルとなっており、ソーシャルコラボレーションプラットフォームである「Infor Ming.le」や「Infor Operational Reporting」、目的特化型ミドルウェアである「Infor ION 10x」と連携する。