エンドユーザーの要望と企業のニーズを同時に満たすのは、なかなか難しい。ユーザーは一般消費者向け製品レベルのシンプルさを求めており、組織はセキュリティと管理のしやすさを必要としている。
米国時間2月10日、VMwareはその両方の希望とニーズの溝をある程度埋めてくれる3つの新製品を発表した。企業向けプラットフォームの新製品「Workspace One」と、同社のアプリケーション配信製品の最新版である「Horizon 7」と「Horizon Air」だ。詳細は次の通り。
Workspace ONE
Workspace ONEは、デバイス管理やID管理、アプリケーション配信などのサービスを提供する、安全性の高い企業向けプラットフォームだ。同社によれば、その目的はすべてのデバイスからすべてのアプリケーションを利用できるようにすることだという。Workspace ONEの主な特徴は次の通りだ。
- セルフサービスによるアプリケーションへのアクセス
- デバイスの柔軟な選択
- 企業向け生産性ソフトウェアの提供
- 条件付きアクセス
- 大規模な自動化
セルフサービスによるアプリケーションへのアクセス機能は、どのデバイスからでもすべてのアプリケーションに同じようにアクセスできるようにするものだ。ユーザーはどのデバイスでも同じ体験を得ることができ、モバイル用のシングルサインオン機能(VMwareによれば業界初の機能)も用意されている。顧客は企業ロゴを表示させてブランディングすることもできるという。
エンドユーザーは私物デバイスを使うか業務用のデバイスを使うかを選択可能で、セキュリティやアクセス権も使用するデバイスに応じてカスタマイズできる。ユーザーが望めば、最初は業務用のデバイスを使用し、後から副作用なしでBYODに移行することも可能だ。
生産性ソフトウェア関連の主な機能は、電子メールやメッセージングに関するもので、これらの機能をプラットフォームの中で適切に扱えるようにする。またWorkspace ONEには、VMwareが最近企業買収したBoxerが提供する、カレンダーなどの機能も統合されている。
条件付きアクセスは、ユーザーに付与するアクセスレベルやユーザーに求める必要のある認証方法などを判断する機能を提供する。これには、アプリ単位の動的なVPN、デバイスの使用状況アナリティクス、よりスマートなネットワーク構築のための「VMware NSX」との統合などが含まれている。
Workspace ONEには、Standard、Advanced、Enterpriseの3つのエディションが用意されている。Standardでは、すべてのエンタープライズアプリ、すべての生産性アプリ、およびシングルサインオン機能が利用できる。Advancedではさらにエンドポイント管理機能、より高度なアプリセキュリティ、データ漏えい防止機能(DLP)が追加される。Enterpriseではそれらの機能に加え、仮想アプリと仮想デスクトップが利用できる。価格は、クラウドサービスの場合1人あたり月額8ドルから、オンプレミス版の永続ライセンスではユーザー1人あたり150ドルからとなっている。