認知コンピューティングに取り組むIBM Watson部門は米国時間2月23日、ネバダ州のラスベガスで開催した「IBM Interconnect 2016」において、開発者向けのWatson APIを拡充し、「Tone Analyzer」と「Emotion Analysis」「Visual Recognition」という3つのAPIを追加したと発表した。
さらに、同部門はテキスト読み上げ機能である「Text to Speech」(TTS)をアップデートし、「Expressive TTS」と再ブランド化したことも発表した。
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感情分析や画像分析は認知コンピューティングの基礎となりつつある。これらのAPIは、そういった能力を活用しようと考えている開発者に向けたものだ。
IBM Watson部門のゼネラルマネージャーDavid Kenny氏はプレスリリースのなかで、今回のWatsonのアップデートは「コミュニティーによる、人工知能(AI)を搭載した動的なアプリやサービスの開発」を支援するものだと述べている。
現代のビジネスでは、その多くがテキストベースのコミュニケーションに大きく依存しており、テキストからにじみ出る微妙なニュアンスが、そのテキストを読む相手の受け止め方に影響を与え、ひいてはビジネスに影響を与える可能性もある。今回ベータ版として新たに提供されたTone Analyzerによってユーザーは、自らの記述したテキストに存在する感情的表現や社会的傾向、文章スタイルを洗い出し、より良い洞察を得られるようになる。
Tone Analyzerはテキスト全体を読み込み、喜びや嫌悪、恐れ、悲しみといった感情を識別する。また、テキストの書き手が率直なのか、人当たりが良いのか、自らの書きっぷりに自信を持っているかどうかも判断できる。その後、階層化されたJSONデータを出力する。このツールはスピーチの原稿や、電子メールの送信前確認、営業プレゼンテーションに先がけたチェックの支援に活用できるはずだ。
提供:IBM