機械翻訳分野におけるGoogleの、そしてMicrosoftの成果に目を向けてほしい。コーパスの格納にはペタバイト級のストレージが必要であるとはいえ、本当に重要なのはそこから価値を生み出すためのコンピュートリソースとアルゴリズムなのだ。
またGoogleには、ニューラルネットワークを用いて写真の大まかな撮影場所を特定するという新しいプログラム「PlaNet」もある。同社はジオタグを付加した1億2600万枚の画像を手始めにして、ニューラルネットワークを訓練、テストしている。
このプログラムは既に、世界各地を旅行している人よりも場所の特定能力に優れているが、より多くの画像を用いて訓練を続けることでさらなる進歩が期待できるはずだ。
ストレージ面での予測
Henry Ford氏は、「Ford Model T」という自動車を一定の品質で安価に提供することで、自動車業界における優位性を何十年にもわたって維持した。その後、General Motors(GM)がさまざまな価格帯で、複数のモデルを市場に投入した。この戦略はより裕福な顧客層を魅了し、GMもまた数十年にわたって業界での優位性を保ち続けた。
Amazonが提供する、クラウド内のデータセンターというモデルは強力だ。というのも、それが人々にとって既知のものであり、そのコスト置換モデルは最高財務責任者(CFO)らに対する訴求力を持ってもいる。しかし、それは現世代のアプリケーションに限っての話なのだ。
クラウドベースのインフラが持つユニークな利点に気付くユーザーが増えるとともに、主要アプリケーションの性質は変わっていくだろう。そしてこういった変化は、博士号を持つ優秀な人材を大量に抱え、コンピュータ科学の限界を押し上げようとしているGoogleやMicrosoftにとって、実利的なアプローチを採用しているAmazonよりも優位に働くはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。