十分によい、では通用しない
このあたりから筆者の見解は、Forrester Researchのモバイル開発に関する評価から外れてくる。同レポートでは「2016年以降、より多くの開発者がウェブ及びクロスプラットフォームのツールを試すようになる」と結論付けており、それ自体は真実と言える。しかしその根拠として、「彼らは『十分によい』結果を達成できることを見出し、純粋にネイティブなモバイルアプリの開発は、特にクロスプラットフォームでの開発に道を譲るだろう」という点を挙げるのは間違っていると考えている。
世界がモバイルに向かい、コンシューマー(あるいは従業員)が抱く自社ブランドの第一印象がモバイルによるものとなるなか、「十分によい」モバイルエクスペリエンスを提供するだけでは不十分なのだ。モバイルエクスペリエンスは卓越していなければならず、さもなければ会社は過去の栄光にすがるしかなくなるだろう。
賢明な開発者は、貧弱な根拠でウェブアプリを推進するのではなく、このことを認識するとともに体感し、ネイティブアプリとウェブアプリのエクスペリエンスを向上させるために相互補完的に双方を活用する。「どのように」実現するのかは個々の業務に依存するとはいえ、その目標は常にネイティブアプリやウェブアプリ(あるいはその中間)における卓越したユーザーエクスペリエンスに置いておく必要があるのだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。