EMC、オブジェクトストレージ専用機「ECS」新版--NFSに対応、ソフト単体でも

NO BUDGET

2016-03-02 18:45

 EMCジャパンは3月1日、ソフトウェアで制御できるオブジェクトストレージアプライアンスの新版「Elastic Cloud Storage Appliance(ECS) 2.2」を発表した。同日から同社とパートナーが提供開始。価格は個別見積もり。

 新版であるECS 2.2では、新たに追加された機能により、従来のオブジェクトやHDFS(Hadoop Distributed File System)のストレージアクセスに加え、ファイルアクセス用のNFSにも対応する。NFSでECSに書き込んだファイルをオブジェクトとして読み込むこともできる。

ECS 2.2
ECS 2.2(EMC提供)

 セキュリティの強化策として、米証券取引委員会(SEC)が求める、アーカイブされたデータの改竄防止を求める「SEC 17-A4」に準拠している。加えて、米連邦政府機関が利用する情報システムの標準規格である「FIPS(Federal Information Processing Standardization)」の暗号モジュールの標準規格「FIPS-140-2レベル1」で求められるサーバサイドの暗号化にも準拠している。

 アーカイブストレージ「EMC Centera」との互換性が高めるとともに、Centeraとの併用もサポートされている。アプライアンスでの提供に加え、ソフトウェア単体でも提供する。ユーザー企業自身が調達したx86サーバ上でECSを構築できる。

 ECSは、昨今のスケールアウト型クラウドストレージ要件に対して設計、日本では2014年12月に販売を開始した。安価なx86サーバによるコスト優位性に加え、EMCがサポートする製品として、エンタープライズレベルの信頼性とサービス性も提供する。

 パブリッククラウドサービスと比較して総所有コスト(TCO)を65%低減し、クラウドスケールの経済性を実現できるという。シングルグローバルネームスペースでストレージを容易に管理でき、最小限のオーバーヘッドで地域間分散するため、マルチサイトによる効率化が可能。APIでストレージにアクセスすることでクラウドアプリケーションと分析の展開を高速化できるとしている。

 ECSの代表的な利用シーンは、各種コンテンツのグローバル共有ストレージ、ビッグデータやIoTでの大量な解析データ用ストレージ、モバイルアプリケーション用ストレージ、アーカイブなどの長期保管データ用ストレージの4つ。これらの業務やサービスでECSをより簡単に導入する目的で、「EMC CloudArray」や「EMC CloudBoost」、サードパーティーのクラウドゲートウェイ製品との組み合わせ事例も増えているという。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  2. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  3. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]