アマゾンデータ サービスジャパン株式会社 代表取締役社長 長崎忠雄氏
6月2日と3日に開催された「AWS Summit Tokyo 2015」で、1日目のキーノートとして日本法人アマゾンデータサービスジャパン株式会社の代表取締役社長を務める長崎忠雄氏が基調講演に立った。
長崎氏は「クラウドはもはやニューノーマルになった」と指摘。クラウドが特別なのではなく、企業にとって当たり前のインフラになったと説明しながら、ゲストスピーカーを交えて8つのトピックからAWSの現状を伝えた。
また、「Amazon EC2」のためのフルマネージド型ファイルシステム「Amazon Elastic File System(EMS)」を夏に提供開始すると発表している。
講演の冒頭、長崎氏はAmazonを創業する前にJeff Bezos氏がナプキンに書いたという、伝説のAmazonのビジネスモデル図を紹介。

「この図はAmazonの原点といえるものだが、実はAWSも全く同じビジネスモデルを取っている。トラフィック量が増えるとセラー(売り手)が集まり、お客さまの選択肢が増える。選択肢が増えることでトラフィック量が増えるという循環を作る。さらに重要なのは、低価格体質を徹底することだ。低価格戦略によって多くの顧客が集まり、結果として利益が増え、それが次の投資につながる。また、顧客に利益を還元できる。AWSはサービス開始から現在までに48回の値下げを実施した。さらに、徹底したスケール、イノベーション、スピードの追求を続けている」(長崎氏)
またAWSを開始した目的を「クラウドが作りたくてやっているわけではない。Amazonのビジネス課題を解決するために誕生したのがAWS」と説明。
エンジニアが本来の目的であるビジネス拡大のためのではなく、インフラ管理のための仕事に追われている現状を回避するために、「インフラ管理をソフトウェア化することで、エンジニアは本来の目的であるビジネスを成長させるための業務に専念することができるようになった」とAmazon自身がユーザーとしてAWSを活用していると説明した。