バージョンアップでAudit機能などを強化、より企業向けに
2016年1月にリリースしたEDB Postgresの新版「9.5」では、より企業の需要に応えたという。特に、セキュリティ、Oracle Databaseとの互換性、性能の3つを強化している。例えば、セキュリティではPCI DSSへの対応などを考慮し、Audit(監査)機能を向上させた。
EDB Postgres 9.5のベースとなるコミュニティ版のPostgreSQL 9.5も、今回のバージョンアップによって開発生産性、性能、運用面の3つの領域で、それぞれ新機能を追加した。
Principal Sales Engineering EMEAのMark Jones氏
開発生産性を高める新機能の1つがUPSERT機能だ。これ1つで、INSERT(データの追加)とUPDATE(データの更新)を兼ねる。新しいレコードならINSERTし、既にレコードがあったらUPDATEする。「開発者からの要望が大きかった機能」(Principal Sales Engineering EMEAのMark Jones氏)だ。
運用性を高める新機能の1つがpg_rewind機能だ。HA(高可用性)構成では、本番系(マスター)に障害が発生すると、処理を待機系(スタンバイ)に切り替えるフェールオーバーを実施する。
本番系を復活させた後は、本番系に処理を戻すフェイルバックを実施する。pg_rewindでは、このフェイルバックを高速化する。これまではフルバックアップのデータを待機系から本番系に戻す必要があったが、pg_rewindでは差分データだけを戻せばよくなった。