「Amazon Web Services(AWS)」が米国時間3月14日に10周年を迎えた。サービス開始当初、AWSはAmazonの奇妙なサイドベンチャーに思えたが、やがて同社で最も多くの利益を生む事業に成長し、自社のデータセンターに対する企業の考え方に変革をもたらした。
2006年3月14日にAWSの提供が開始されたとき、IaaSは新しいカテゴリだった。SaaSクラウドプロバイダーは多数存在し拡大していたが、インフラストラクチャは概ね未開拓だった。
それから2年後、AWSに大きな可能性があることを筆者は確信した。AWSはAmazonの小売事業を追い抜くと筆者は予測した。売上高で見るとAWSは小売事業に遠く及ばないが、ランレートが100億ドル近い事業は決して軽んじるべきものではない。Amazonにとってさらに重要なこととして、クラウドサービスの利幅はEコマースを優に上回る。
AWSの最高技術責任者(CTO)であるWerner Vogels氏は、AWS提供開始後の10年間で学んだ10の教訓を発表した。具体的には、進化可能なシステムを構築すること、不測の事態に備えること、フレームワークにとらわれないこと、自動化すること、APIは永遠であること、自分の使用状況を把握すること、セキュリティを一から構築すること、暗号化が鍵であること、ネットワーキングが重要であること、そして、パートナーの革新を制限しないことだ。
おそらくこの10年間の最大の教訓は、企業はレガシーインフラストラクチャに足を引っ張られる必要はない、ということだろう。クラウドを利用すれば、企業は機敏に動いて、技術革新を取り入れることができる。AWSは初期の頃から変わらぬ驚異的なペースで新しい機能やサービスを提供することで、身をもってそれを示す道を選択している。
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AWSの10年間に関する主なデータを紹介しよう。
- 190カ国に100万人のアクティブユーザー。
- AWSのデータベースサービスの売上高のランレートは10億ドルで、Amazonによる使用はこれに含まれない。
- AWSの提供開始後、51回の値下げが行われた。
- 2015年、AWSは722の新サービスと機能を発表した。2011年に発表した新サービスおよび機能の数は80で、2012年にはそれを2倍に増やしている。
- 「Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)」は1秒あたりのリクエストが何百万にも達することがよくある。
- AWSのアベイラビリティゾーン数は33で、今後1年でさらに11を追加する予定だ。
- 現在、AWSは70以上のサービスを提供している。
- 「AWS Marketplace」では、800以上の独立系ソフトウェアプロバイダーが2500のソフトウェアを掲載している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。