社内と社外でメッセージは同じ
振り返ってみれば、Nadella氏がCEOに就任して以降、Microsoftは、これまでにはないメッセージを次々と打ち出してきた。
冒頭にO'Brien氏がミッションステートメントを例に挙げて言及したように、それらの新たなメッセージが社内に浸透しているという状況も見逃せない。
「社内文化を転換させるべき時期であることを多くの社員が理解している。成長のための新たな考え方についても、Microsoftの社員が情熱を持って取り組めるものだと言える。その考え方が社員の間に浸透してきたのは、これまでの自分中心にフォーカスしてきた考え方から、顧客中心の考え方へと変化してきたことが大きい。そして、これらの考え方を、Satya自らがこまめに開催するタウンミーティングを通じて、社員に何度も語り掛けていることが見逃せない」
Nadella氏の経営スタイルは、独裁的ではない。社員全員を引き込み、より透明性を持って発言し、経営を推進していくスタイルが身上だ。発言内容は、一度で理解するには難しい部分もあるが、それでも何度も繰り返し話を聞くうちに社員の中にその考え方がじわじわと浸透していくタイプだと言える。
「社内に発信しているメッセージと、社外に発信しているメッセージはまったく同じものである。その点でも透明性が高く、Satyaが目指す世界観が社員に伝わりやすい。新たなリーダーシップが短期間に社内に根付いた理由はそこにある」
Microsoftの変革はまだ始まったばかりだ。チャレンジャーとしてのMicrosoftは、Nadella氏のメッセージをもとに、これからも変化することになるのだろう。